歌川国芳展
くによし
歌川国芳展、予想以上の素晴らしさでした。
上の写真の人間を集めて顔になってる絵など、有名な作品は知っていたけどこれほどじっくり見たのは初めて。
うむむ、すごいわ。
何がすごいって、絵の腕も勿論抜群だけど、発想がすごい。

武者絵や美人画も素晴らしいけれど、べてぃが好きなのは戯画。
でもそれが天保の改革の質素倹約令によって美人画や役者絵を禁止された結果、生み出されたものだとは知りませんでした。突如目の前に立ちはだかる困難を軽~く越えて、新しい領域に飛躍した。国芳、すごい。

人は突然行く手をふさがれるとそのままダメになっていく人と、自力で越えて一回り大きくなる人とに二分されますが、なかなか後者にはなれないもの。国芳の場合は飛躍っぷりがすごいし。元々持っていた茶目っ気を作品の上に解放するのにはきっと勇気がいったはず。降ってわいたような禁止令が背中を押したわけで、何がきっかけで人生が開けるか、わからないもんだなぁと思いました。
希望を失ってはいけない。
スポンサーサイト
2012/02/12(Sun) | 博物館、美術館のオモシロ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
うさちゃんの耳つきかぶと
うさぎ
上野国立博物館探訪の続き。
常設展示の中に、毎回楽しみにしているコーナーが三つあります。
一つは勿論「仏像」。なにせ一応仏像彫刻修行中なもんで。
そして残りは「ヨロイ・カブト」のコーナーと「ネツケ」のコーナー。

ちなみに「常設展示」と言うといつ行っても同じものが展示されてるように聞こえますが、月一度程度展示内容は変わるので毎月行っても違うものが楽しめます。(全部変わってるのかは?ですけど)

今回は先日書いたように特別展、仏像コーナーには大満足。今までそれほど注目してなかったハニワに開眼するというおまけつき。さて次は鎧兜と根付だ!と先へ進む。
どちらのコーナーも行くたびに、日本人のモノづくりの技術の高さと革新的なデザイン力に目を見張ります。

写真は「兎耳つき兜」。
うさちゃんですよ。うさちゃん。武士が戦でかぶる兜に。どして~?なんで~?
でも何度もこの鎧兜コーナーに足を運んでいるべてぃにとって、これは不思議ではあるけど、驚愕するほどじゃな
い。
以前、てっぺんにちょんまげのついた兜見たときは思わず一人爆笑しちゃいました。
兜のてっぺんにちょんまげ....もしや薄毛に悩んだ殿様のオーダー兜?地毛ではちょんまげ結えないから、兜かぶった時には立派なちょんまげ付きにしてみたとか?もしくは兜をかぶってるのに、かぶってないように見せて敵を油断させる戦術か.....??想像がふくらみます。
ほてい
こちらは根付。タバコ入れや薬籠などにつける飾り。
手に宝珠持った布袋様がなぜか風呂敷に包まれて荷物になってるデザイン。素材は金属かな。3センチほどのものです。
この作品はそんなに細かい細工じゃないけど、時々「こんな細かい細工、どうやって彫ったんだろう?」というものが。根付だから江戸時代のものだと思います。デザインは様々で、よくこんなデザインを根付にしようと思いついたもんだと驚くようなものが結構あります。日本人のモノづくりの血は江戸の昔には相当のレベルで完成されていたんですね。もしかすると自由奔放大胆なデザイン力とそれを形にする細工の力量は今よりも上。すごいなぁとガラスケースに張り付くべてぃでした。
2011/08/20(Sat) | 博物館、美術館のオモシロ | トラックバック(1) | コメント(2) | page top↑
国立博物館探訪 その3
かあさん、飯腰に手をあてちょっと威張って「母さん、飯!」。
寺内貫太郎を思い出す...いかん、年がわかる。ふはは。
きっとこの後は「風呂!」「寝る!」ね。
昔懐かしい昭和の亭主関白父さんのハニワだ。

ん?でもこれはハニワだから昭和じゃない。そうかぁ、太古の昔から日本は亭主関白文化だったんか~と納得したべてぃ。しか~し、ラベルを見ると...

ラベル
な、なに~ぃ??
これって女子なの?
よく見ると胸にぽっちり突起物がついてる。うむむ。太古の昔は女房関白?

べてぃの国立博物館見物は続く。
国立博物館は埴輪も充実。今回は目を引くものが沢山展示されていて、ハニワの世界にちょっとはまりました。面白いよ、ハニワ。
犬
これは何だ?白熊?のはずはない。いのしし..とも違う。
実は「犬」だそうな。確か重文。昔の犬はこんなに脚が長かったの?不思議なバランス。口からちょろっと舌が見えたりしてかわいい。人気物?らしくミュージアムショップに金色のペンダントになって売られていました。
はにわ
学校の教科書にのってたハニワは表情のない無機質なものが多かったけど、今回見たハニワはこんな感じでにっこりしてたり、着てるもの、姿形さまざまで当時の生活が垣間見えて面白い。そして犬はあんなに脚長なのになぜか人間のハニワはどれもこれも異様に短足なのは何故~?短足の方がカッコイイってことになってたのかしらん。

収穫多し。べてぃの博物館探訪記録はまだ続く。
2011/08/18(Thu) | 博物館、美術館のオモシロ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
お釈迦様出産中の像に新たな発見
外観
国立博物館は建物も素敵。これは本館に向かう左手にある表慶館。

昨日書きかけた運慶と思われる真如苑の大日如来に関する発見は...なんと耳の穴をのぞくと向こうまで見通せるんです!!...って、な~んだ、そんなことか!?と思ったあなたは仏像彫ったことありませんね。ま、彫ったことのある人の方が圧倒的に少ないわけだけど。
あまり大きい仏像ではないながら、中は空洞で耳の穴が左右真対称の位置にあるということになります。穴は5ミリ強の小さいサイズ。

仏像教室の先生にいつも「仏様は完璧な存在だから、顔は左右同じであるべきなのに、なんだぁ~このアンバランスな顔は!??」と言われてるべてぃ。そう。左右対称に彫るのって難しいのです。昨日見た仏像もほとんど左右対称じゃない。人間がつくっているものですから。改めて大日如来を真正面から見ると...うむむ見事。さすがです。別に向こうを透かして見えるようにするためにそうしたんじゃないと思うけど、「耳の穴通して向こうが見えた」という単純な発見がうれしかったべてぃです。そんな仏像には初めてお目にかかりました。他にも沢山あるのかもわからないけど、お寺にあるものはそんなに間近でいろんな角度から見ることができないからね。
これから行かれる方はガラスケースの真横から耳の穴のぞいてみてくださいな。

脇からやぁ~
そして写真は「お釈迦さまの出産シーン」の像。

念のため書いておきますけど、国立博物館の常設展示物は「写真禁止」の表示がなければフラッシュなしで写真撮影可です。前に撮影していたら見知らぬ奥さまが駆け寄ってこられて「あなた、美術館で写真とるなんて、非常識な!!」と頭ごなしにお叱りを受けたことがあるのでね。この像は撮影可。大日如来は撮影不可。勿論特別展示場も撮影不可です。

像はお釈迦さまの母、麻耶夫人。散歩中にうっと産気づき、なんと脇の下から出産。その時の様子です。
同じ国立博物館の法隆寺宝物館に展示されているのを見つけて、なんと面白い!と国立博物館に行くたびに見に行ってました。今回は本館の仏像展示の中に発見。おお~、麻耶夫人、こんなところに!

脇の下から生まれたってだけでかなり良い感じに面白いのに、この像では生まれた子供はまるで「やぁ!」と言わんばかりに片手あげてる...誰がこんなジョークのきいた作品を作ったんだろう??ふひゃひゃ...と見るたびにうれしい気分に。
ところがです、今回は明るいところで後ろ姿まで見える形で展示されていたおかげで真実が判明。

麻耶夫人後ろちょっと前のめりになっていきんでいる?麻耶夫人。そして生まれて来た子は...よく見てね。やぁ~と挨拶してるんじゃじゃなくて両手を合わせてました。そうだよね~。10センチほどの小さい像なので、暗い展示室では詳細が見えないのですよ。永年の不思議が解明された瞬間。ま、個人的には「やぁ~」の方が好きだけど。ふひょひょ。

へび大日如来の向かいのガラスケースの中にこんな像が。
ガラスケースの外からの写真なので不鮮明だけど、頭の上に何やら小さいぐるぐるがのってる。何故にこんなところに「う○ち」が??と思ったべてぃはアホです。
ラベルを見るとこれは慶派の仏師作の十二神将の一つ、「巳神」。
ということでのってるのはとぐろを巻くへび?でもこのぐるぐるは(写真じゃよくわからないけど)へび大嫌いのべてぃにもちょっと笑える造形。トータルで見ると仏像としては造形的にものすごくリアルで迫力満点。彩色もかすかに残っているものを見る限り、手が込んでいて素晴らしいものだったはず。浄瑠璃寺所有だそうです。思いもかけず良いもの拝見することができました。

こんな感じで常設展示はまずは仏像。そしてそのあとは....これはまた後日。



2011/08/16(Tue) | 博物館、美術館のオモシロ | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
空海と密教美術展 行ってきました
看板
東寺の立体曼荼羅に上野の国立博物館で会える...勿論行かねば!!

京都に行くたびに東寺には行くことにしているので何度も拝見したお姿の数々ではありますが、国立博物館は展示上手で有名。お寺で拝見するのとはまた違う発見も多いはずだから。
イケメン仏ナンバーワンの誉れも高い「帝釈天」を間近でじっくり拝見する、これが今回の目的です。

問題はこいう話題の展示の人ごみはすごいってこと。べてぃはチビなので、行く日を選ばないといけません。まだ東京における催し物の人手のすごさをよくわかってなかった頃に行った「兵馬俑展」では見事に頭の後ろ頭コレクション拝見のみでへとへとになって帰宅しました。
今回もすごいらしいから、いつ行こう?と思案した結果、昨日決行。
何故なら今回の主力見学者は訪ねてきた可愛い孫のお相手中、もしくは東京離れて帰省中の人が多いと読んだから。加えて普段月曜は博物館はお休み。特別オープンの情報を知らない人もあるはずなので、穴場(じゃなくて穴時?)かと。
昨日は8月15日月曜日。
終戦記念日に仏さまを拝むのこともできるし。

上野駅は大混雑。駅中で腹ごしらえをしてから行こうと入ったお店のお隣の席はおばあちゃんと孫の二人連れ。テーブル同士がえらくくっついてるので、聞こうと思わなくても話は耳に入ってくる。
おばあちゃん「お腹いっぱいで眠そうだねぇ。お家へ帰る?見ないで帰るのはどう?...な~んちゃって。えへへ。」と一人笑う。孫、無言。
何の話だろう?と思いながら博物館方面へ。
上野駅公園口を出るとそこは博物館、美術館街。べてぃの目的地はその一番奥です。そして一つ手前に「国立科学博物館」。そこまで来ておばあちゃんの発言の意味がわかりました。ただ今「大恐竜博」開催中。そして炎天下子連れ孫づれが驚きの長蛇の列。
推定年齢60代中盤の方。この炎天下1時間待ちとかしたら具合悪くなりそう。昨日の東京は猛暑。アスファルトの照り返しも加えると体感温度40度ぐらいなんじゃないかな。並んだのかなぁ。

まさか国立博物館もこんなことになっていたらどうしよう....と思いつつ先を急ぐ。
門の係員の人が「ただ今20分待ちです!」と繰り返し叫ぶ。
うう...20分待ち。行列苦手。でもま、ここまで来て帰るわけにもいかないから仕方ない...と、中へ。特別展開催中の平成館へ人の塊が皆競歩状態で急ぐと、平成館の前には入場待ち用日よけテントが。科学博物館の前にはそんなものはなかったのに。対象顧客の年齢層の違い?おまけに水サーバーがおいてあって係員の人が「熱中症にならないように、こまめに水を補給してください!」と繰り返す。
そして「入場制限 10分」という表示が。あれ、20分じゃなかったの?
べてぃがテントに到着したのはちょうど昼の1時。そして入場できたのは1時8分。
テクニックあるなぁ。20分だと思ってたのが10分になり、8分になる。逆だったら文句言う人続出のはずだもん。
8月15日を狙ったのが正解だったのか不正解だったのかは?だけど、ま、8分待ちだったんだから良しでしょう。

展示は第一展示室と第二展示室。お目当ての立体曼荼羅はどこだ?
おかずは好きなものから食べる...じゃないけど端から端までじっくり見るには時間がない。ここでも競歩状態で全体の配置を確認。見たところ第一展示室には書の類と唐伝来のお宝の展示。第二の方に空海ゆかりの仏像など。
第一、第二とされると第一から見るのが人情だけど仏像見に行く人は第二です。真打、立体曼荼羅は第二の奥の奥。そこまでの展示はま、普通。書などはガラスケースに入り、仏像は壁を背に配置。

でも立体曼荼羅は....さすが展示上手。大きな展示室一つが立体曼荼羅の世界。入るとまず高い位置から立体曼荼羅全体を俯瞰。東寺で拝見するときはステージみたいな一段高い四角い壇の上に配置されてるから、上から見下ろすのは新しい。見たことのない角度からお姿拝見。

全体を堪能したら、仏像が配置されているフロアに降りて今度は下から見上げる形で間近にお姿拝見。
各仏像は東寺にあるときと同じ位置関係に配置されています。でも東寺ではたくさんの仏像が並んでいるのを四角の壇の外から見る形。対して今回は各仏像のまわりに丸い壁があってそれ以上入れないようにしてあるだけで、丸の外、360度全角度から鑑賞可能です。帝釈天は東寺ではステージ左端にいるので、結構近くから右半身は良く見えるけど、左は他の像の陰になってよく見えないし、真後ろから見ることは不可能。また東寺では自然光だけで見るものをライティングされているのも新鮮。
360度ぐるぐる。立ったり座ったり、あらゆる角度から堪能してきました。
距離も帝釈天が乗ってる象の鼻あたりは手を伸ばしたらさわれそうな距離。こんな近くで拝見できるなんて...。
発見いろいろ。半眼の彫り方テクニックについては発見大。その他象のお尻は真後ろから見るとこんなに四角だったのねとか....いろいろ。
う~む。満足。暑い中並んだ甲斐ありました。

特別展の後は常設展も見なきゃ。仏像もあるし、そのほか楽しみにしているコーナーがいくつかあるのです。
ということで本館へ移動。まずは仏像展示室へ。すると...おお!また会えました運慶作であろうとされる真如苑の大日如来。骨董市で見つけたものをクリスティーズに出して、あわや海外流出か?と話題になったあの仏像。

ただ今常設仏像展示は慶派の仏像を集めて展示中でした。ラッキー。
大日如来以外にも初めて見た仏像でなかなか良いものが...それに今回、大日如来の耳について発見が...さすが運慶、すごい!
(明日につづく)

2011/08/16(Tue) | 博物館、美術館のオモシロ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
 ホームに戻る