猿之助の スーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」 観てきました
ぶたい
劇場に入ると既に幕が開いていて、舞台中央には等身大?のフィギュアが....入ってきた人は舞台まで行って写真撮影。
ほぉ~。
歌舞伎の舞台を観に行って、こういう趣向でお出迎えされるのは勿論初めての事です。
れいの福山雅治寄贈のクマドリの幕が出迎えてくれたのは記憶に新しいわけですが、それともまたちょっと趣向が変わって、始まる前から新しい~。

スーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)は2014年4月の「空ヲ刻ム者」に続く二作目です。
前作は猿翁のスーパー歌舞伎の流れを汲みながら新しく当代猿之助らしいスーパー歌舞伎を...という感じだったと思うのですが、今回はとにかく全く新しい!ぶっちぎりで当代猿之助オリジナルの舞台です。

猿翁のスーパー歌舞伎も初めは「こんなのは歌舞伎じゃない」と言われたようですが、今や既に堂々たる歌舞伎の演目。
「ワンピース」は正直言って「歌舞伎って何だっけ?」「歌舞伎役者が出てたら歌舞伎?」とか、歌舞伎の定義について考えてしまう舞台ですが、歌舞伎という枠に関係なく評価すれば、圧倒的な豪華さとスピード感で最後まで飽きさせない、高品質のエンターテインメント。素晴らしかったです。
「そもそも歌舞伎は江戸時代の庶民の娯楽で、何でもありのお客が喜んでくれれば良いものなのさ~」という理屈で言うとどんな舞台でも歌舞伎なわけですが、今は主として江戸時代のものを現在演じているものが歌舞伎であるわけなので、古典からどこまで逸脱して行っても歌舞伎と定義されるのか?そこらへんはビミョーな感じはしますが、その点を置いておいて良い舞台だったか?と言えば素晴らしい作品でした。

ただ一点、残念なのはべてぃはワンピースを一切読んだことがない上に、登場人物が余りに多く、ストーリー展開が結構速いので、最初は話について行けず、大体わかってくるまで、そうですね~三分の一ぐらいまではおいてけぼり状態でした。
登場人物が多い上に歌舞伎特有の一人複数役もあったりするので、余計にこんがらがって...。

勿論、ワンピースがロングセラーの人気作品だということは知っていましたよ。
う~。予習して行くべきでしたね。
予習して行ったら三倍は楽しめたはずです。

ぽすたー
新橋演舞場の入り口横に飾ってあったポスターです。

今回印象的だったのは客層がいつもの歌舞伎とは全然違っていたことでした。
勿論、ずっと歌舞伎を観て来られた人もいらっしゃるとは思いますが、服装、年齢などから判断するにいつもと大分違う人たちがかなり多かったはず。歌舞伎というよりも「ワンピース」の舞台を観に来たという人が多かったはずです。
その点でも「時ヲ刻ム者」よりも歌舞伎に持ち込んだ新しさのレベルが違います。
これを入り口にして他の演目の歌舞伎も観るようになる人がどのぐらいいるのかは?ですが、ゼロではないはず。歌舞伎ファンのすそ野拡大の試みとしては相当価値ある試みなのではないかと思います。

そしてもう一つ印象的だったのは若手歌舞伎役者が古典の舞台では見られない良さを見せてくれたこと。
特に巳之助は今まで見た中で一番生き生きと生気あふれる芝居で良かったです。
きっと本人も楽しんで演じていたはず。一緒に観ていたお友達もこれについては意見一致で、お父さんに似て来たね~と言ってました。

歌舞伎は家の芸なので、古典の演目ではお父さん、お爺さん、もしかするともっと前の祖先と同じ役を演じてそれに比べられちゃったりするわけで、若い役者さんは大変ですよね。キャリアが全く違う人と同じことやって比較されても困ります。特にお父さんやお爺さんがすごい名役者だったりすると、一人のお客さんが全員の演技を観て比較されたりするわけですから。
でも今回のように全く新しい演目なら、ファミリーで演じる者は自分がパイオニアなわけで、自分の解釈で自由にのびのび演じられるわけで、古典とは全然違います。今回の舞台で自信をつけて一回り大きい役者になれたら良いですね。
そして最近注目の中村隼人もなかなか。
彼の場合はほとんどコスプレショーみたいな役でしたが、持ち前のビジュアルの良さだけでなく、なかなかの存在感で良かったです。

勿論若い役者さんだけではなくてベテラン役者たちも大活躍。猿之助を中心とする若い世代を、五十代の右近を中心とする澤瀉屋の重鎮メンバーが積み上げた芸の力+アニメのキャラになりきりのビジュアルを作って.....「コスプレ歌舞伎」でガッチリ支える。そんな舞台でした。

べてぃが観たのは昼の部。11時始まりで終わりは3時半近くでした。
超豪華花吹雪もあって劇場は花吹雪だらけ。夜の部始まりは4時半。4時ごろにはお客さんが入ってくるので、三十分でどうやって掃除完了できるんだろう?....そしてあれだけハードな舞台を1時間後にはもう一回やるなんて、役者さんも大変。
表に出ている人も裏で支えている人も全力投球の舞台です。

皆さまお疲れ様でした。
良いものみせてもらいました。
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2015/10/26(Mon) | 歌舞伎、映画 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
猿之助、11月花形歌舞伎 と アクアラインからの富士山
富士
アクアラインからの富士山です。う~ん。クリアーさが足りません。
でも先日見えたよりは大分はっきりしてきました。夏の間はそこに富士山があるなんて全く感じなかった場所に、徐々に徐々に濃くその姿が確認できるようになり、それに伴って気温も下がり....と思っていたら、気温だけ突然真冬になり、鼻水垂らしてます。
借家一戸建ての初の冬越し。もしかすると備え付けのエアコンで何とかなるのでは?な~んて甘い考えは一日にして吹っ飛びました。マンションの冬とは比較にならぬ寒さがやってきそうで、こりゃいかん!と、今朝、石油ファンヒーター発注しましたよ。
今日頼んだら明日には届く...ネット通販さまさま。なんて便利な世の中なんでしょう。

と、話は全然それちゃいましたが、今日の話題はこれ。
ちらし
明治座にかかっている「市川猿之助奮闘連続公演 十一月花形歌舞伎」を見てきました。
猿之助は先月の一人で十八役を早変わりするというハードな舞台に引き続き、二か月連続の主役公演です。

見たのは夜の部「通し狂言 四天王楓江戸粧(してんのうもみじのえどぐま)」です。
鶴屋南北作の古典を先代猿之助が復活させたものを今回、当代の猿之助が演じています。
先月の演目とはまた違う意味で大変素晴らしい舞台でした。
一度すたれてしまった演目を猿翁が復活させたものということですが、何故この演目が廃れてしまったのか?もしかするとスーパー歌舞伎の澤瀉屋風の豪華な味付けが加わっているから映える演目で、その味付けがなければ地味で物足りない演目なのかもわかりません。
古典とは言ってもえらく豪華な舞台で、次から次へとやってくる見せ場の連続で、眠くなっている暇なんてゼロです。

猿之助が素晴らしいのは言うに及ばず。
今回強く感じたのは、澤瀉屋のお弟子さんたちがすごいということです。
他所の家にもお弟子さんはいて、舞台に立たれていますが、お弟子さんでありながら名前を聞いたらすぐにわかる人って少ないですよね。でも澤瀉屋にはお弟子さんでありながら名のある役者さんが沢山です。今回の舞台にはそのお弟子さんたちが勢揃い状態で、それぞれの持ち味がうまくかみ合って完成度の高い舞台になっていたと思います。
猿之助含め、どの役者さんも芝居に余裕がある&楽しそうに見えるのも澤瀉屋の特徴のような。やはりファミリーですからね。いつも一緒にやっている仲間同士の演技と、色んな人の寄せ集めの舞台とでは呼吸の合い方とか緊張感、安心感なんかも違うはずです。
そういうところから来る余裕みたいなものが観ている側にも伝わります。
歌舞伎の家以外の人材も積極的に役をつけて育ててきた猿翁の功績ですね。猿翁、すごい。

それにあの豪華さはもしかすると他所の家の役者さんを使わずにほとんど自前で人を賄える分、人件費(というのか?)がかからない分を衣装や装置に回せるとか?そんなこともあるのではないかと思ってしまうぐらい、衣装が豪華でした。
べてぃの場合、歌舞伎を観に行く目的の一つは衣装観察なんです。
今回は作りたいな~と思っているパンツのパターン展開のヒントがもらえましたよ。ふふふ。
色の組み合わせとか形とか、そのまま普段の洋服に流用はできませんが、大きなヒントがもらえます。

糸
今回は演出として蜘蛛の糸が多用されて、舞台上と客席を結びつける小道具になっていました。
写真はべてぃのところに飛んできたもの。
ほぉ~。こうなってるんだ!と発見があったのでブログにのせようと、持ち帰ってみました。
二枚目の写真、チラシで猿之助が手に持っている白いのはこれを沢山まとめて持っているものです。
玉
何であんなにきれいに投網のように広がりながら飛ぶのだろう?と不思議に思っていたのですが、仕掛けはこれのようです。
わかりますか?
真ん中に金属の芯が。
玉
これが重りとなって、美しく飛んで行くもののようです。
江戸時代にはこれほど薄い紙はなかったでしょうし、こんな細工もできなかっったような気がするので、最近のものでしょうか?これが相当効果的に使われて、舞台の豪華さを増していました。

そうそう。最後になりましたが、猿之助、お弟子さんたち以外にもすごい人がいました。
それは団子ちゃん。
まだ小学生のはずですが、今回の演技は既にいっぱしの役者さんでした。
彼を最初に観たのは猿翁、猿之助、中車、団子 四人そろっての襲名披露舞台でのことです。スーパー歌舞伎だったこともあり、演技の内容は学芸会の延長という感じでした。二回目に観たのは踊り。そして今回は、今まであの年齢の子にあれだけの長時間、いっぱしの歌舞伎の演技をさせるのをまず観たことがなく、それもちゃんとやりきっているのに驚きました。大人の役者さんとは体の出来具合が違うから、ちょっとふらついたりはありましたが、堂々たる役者ぶり。
すごいよ~、団子。
それと彼の場合、子役にありがちな「やらされてる感」が全然感じられないのもすごいです。
栴檀は双葉より芳し。近い未来の大役者。期待大です。

小学生なのに舞台終わりは20時半。帰って宿題とかもやるのかなぁ~?
役者と小学生、もう少ししたら中学生としての生活の両立はなかなか大変でしょうが、是非、曲がらず折れず今の延長で良い役者になって欲しいものです。

そして二か月連続の超ハードな日々ももう少しで終わるので、猿之助さん、来月はゆっくり休養とってくださいね。
二月続けて歌舞伎を観るなんて贅沢しちゃいましたが、お財布が軽くなった分以上に楽しませてもらいました。
ありがとう。
2014/11/21(Fri) | 歌舞伎、映画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
十月花形歌舞伎 猿之助、すごい
海老蔵

新橋演舞場の十月花形歌舞伎、見てきました。
夜の部です。
演目は 通し狂言「獨道中五十三驛(ひとりたびごじゅうさんつぎ)」です。

猿之助が一人で十八役を早替わり。そして新しい手法の宙乗りはあるわ、舞台上に大量の水を降らす演出はあるわ。
もう~、すごい。
息つく間もないスペクタクルの連続&豪華な演出で、これこそスーパー歌舞伎では?と思いました。でもこの舞台はスーパー歌舞伎ではないのですね~。空ヲ刻む者よりももっとスーパーな感じがしたのですけど。

猿之助一人で十八役を熱演。それも替わり方のペースがすごい。どうやってこんなに早く変身して出て来れるんだろう?と、見ていて不思議でした。
でも一人で十八役ということは、色んな役の人が皆同じ顔をしてるわけで、服装カツラをかえた上に上手に演じ分けていても、如何せん、顔は同じ。それに登場人物が一般的な歌舞伎に比べてエラク多くて、イヤホンガイドつけていたのに、ストーリーについていけないべてぃでした。特に最後の幕はテンポアップしてエンディングに向けて早変わりのスピードもアップ。どうやって今の早変わりをしたんだろう?な~んて、余計なことを考えていたべてぃはおいてけぼりでした。
でもストーリーが完全に把握できなくても、十二分に楽しい!素晴らしい舞台でした。

そして頭に浮かんだのは「心・技・体」という言葉。
相撲の話じゃなくて、猿之助のことです。
今回のあの舞台を演じるには役者としての技量が相当のレベルに到達していることが必須。それに加えて、あれだけハードな演技を5時間にも渡って出ずっぱりで演じ続ける体力、気力も必須。心技体、三つそろって充実している今、それも猿之助だからこそ出来る舞台です。猿之助と言えどもあれだけハードな舞台を50代になって演じるのは体力的に無理でしょうし、かと言って、体力盛りの二十台では芸のレベルが足りなかったはず。
心技体のバランスがベストな今だけの作品なのではないかと思います。「今」が向こう何年続くのかは?ですが、とにかく今、この舞台を見ることができたのは幸せなことです。

おまけに今回のお席はなんと、花道すぐ横。それも花道のせり上がり(スッポンというようです)のすぐ横でした。
おお~!!なんと豪華な。
目の前1メートル以内に役者さんの顔がある状況。本当に目の前で演技を見ることができました。
相当沢山、運を使っちゃったかも。同じ料金でも色んな席がありますから。今回は今までの歌舞伎見物史上最高のお席が当たって、本当にラッキーでした。
ただし花道近くは埃がすごい。花粉症の人は辛いかも。そしてコンタクトレンズの人は厳しい。
幸いべてぃはどちらでもないので、ホコリと今回の演出の場合は水も体中にあびながら、最高に楽しませてもらいました。

まだ公演は始まって一週間で、まだまだ先が長い。
ご本人も口上で、どこまで体力が持つのやら...というようなことを言われていましたが、ほんと、その点が心配です。
いくら三十代と言えども、あれはキツイですよ。5時間に渡って文字通り、全速力で走り続けているはずなので。
でも猿之助のことだから、きっと最終日まで息が切れてるのすら観客に気取られることなく、早替わりを演じて見せてくれるのでしょう。
頑張って~!!!
そしてソルマックだけじゃなくて、リポDかりゲインのCMのオファー、来ないのかな?驚きの体力だもの。

素晴らしい舞台を見せてくれた猿之助に感謝。そしてチケットとってくださったお友達に感謝です。
2014/10/10(Fri) | 歌舞伎、映画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
七月大歌舞伎 エビ玉の天守物語、見てきました
chirasi
久しぶりの歌舞伎座。玉三郎と海老蔵の天守物語を見てきました。
7月大歌舞伎、夜の部です。
夜の部の演目は
1.悪太郎
2.修善寺物語
3.天守物語

何と言ってもメインは天守物語。結論から言うと、圧巻の美しさ怪しさで、二時間があっという間でした。
実はこの二人のこの演目を見るのは二回目です。あれば何年前なんでしょう?海老蔵のあの事件や結婚よりも前の話なので......と、ここまで書いて調べてみると(インターネットって本当に便利)2006年だったようです。え、そんなに昔?8年前ということですか。あら~。

前回見た時の印象で強かったのは、何と言っても海老蔵の白塗り図書之助の美しさです。歌舞伎の家に生まれても容姿に恵まれるとは限らない中、海老蔵は何と幸運な!と思ったのが鮮明に記憶に残った舞台でした。勿論、玉三郎の美しさは圧倒的でしたが、もう一つ記憶に残っているのは舞台の最中に玉三郎がよろっとよろけたこと。「ああ、玉三郎もやはり年なのね....。」と思いました。
それから8年。
色々あった海老蔵はあの日の美しさかしらん?もっと年齢重ねた玉三郎は今回は?と、色々思いつつ臨んだ舞台です。

海老蔵はこの舞台のために体、絞ったとかですかね?近年見た海老蔵の顔はもっとふっくらしていたのに、図書之助海老蔵は8年前と同じ、しゅしゅっと贅肉のない若々しく引き締まった顔、体で美しい~。
そして玉三郎はやはり頬のたるみとか目の周辺とかに年齢が出ていて、顔つきが変わってきた感じはしましたが、今回はよろけるなんてこともなく、劇場全体をギュッと自分に引き付けるものすごい存在感と怪しい色気に満ちていて、う~む、すごい。
図書之助の方はともかく、玉三郎の演じた富姫は他に演じられる役者さんが今後出てくるのか?玉三郎のを見ちゃうと彼以外の役者さんには無理じゃないのか?と思っちゃいます。菊之助がもっと年齢重ねたら....とか?
とにかく素晴らしい舞台でした。

話は変わりますが、昨日はかつてないほど外国人のお客さんが多いのに驚きました。
べてぃの席は一階だったので全体は見渡せないから人数把握は出来ないのですが、ロビーで見た明らかに異国の人という容姿の人だけでも数十。アジア系は見てもわからないから、トータル数は相当のはずです。昨日の夜だけ特に多かったのかもわかりませんが、歌舞伎座の外国人比率は確実に上がっているようです。

中には着物を着て、桟敷席に座る金髪美女なども。着なれぬ着物をきちんと着て4時間半も座ってられるのは凄いなぁ~と感心してたら、途中で流石に苦しくなったのか、どこからか日本人の方が現れて帯を緩めてましたけど。
クールジャパンキャンペーンがこういう形で実を結んでるんでしょうか?


2014/07/07(Mon) | 歌舞伎、映画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
スーパー歌舞伎Ⅱ 「空ヲ刻ム者 」、見てきました
むすかり
タイトルとは全然関係ないですが、ムスカリにょきにょき咲きました。
小さいぶどうの房みたい。春一番の花です。

さて本題はスーパー歌舞伎Ⅱ。一昨日の日曜日の昼の部を見てきました。
感想、思うところは色々とあるわけですが、結論を一つにして言うと...「スーパー歌舞伎」という冠はつけずに、単なる新作としてやった方が良かったのかも、というのが正直な感想です。

作品としては良くできているし、現代劇の役者さんも交えての新しい試みで、1等A席15000円の価値は充分ある舞台だったと思います。
でもべてぃにとってのスーパー歌舞伎は
・圧倒的な豪華さ
・一作品の中にこれでもかこれでもかと何度もやってくる盛り上がり、スペクタクルの連続で、見てる側もぼ~っとしている閑のないスピード感で、あっという間に長い作品が終わっちゃう感じ
この二つがあるものだと思い込んでるんですよ。歌舞伎にも新作はあるのですが、それらは単なる新作歌舞伎です。スーパーとは言いません。両者の違いは何か?というと、やはり上の二点だと思うのです。この思い込みが頭にこびりついてる目で見ると、今回の舞台はちょっと足りないのです...すみません。デフレ時代のスーパー歌舞伎という感じ。限られた予算の中で目いっぱい効果的に豪華さを出してみたけど、これが限界でした、という感じでしょうか。そういう目で見ると上手に配分されていたと思います。
他の舞台に比べるとかなり豪華だし、初の試みの二人平行宙乗りは見ごたえあったし、終盤の盛り上がりは凄かったです。でもスーパー歌舞伎は全編に渡って終盤ぐらいの豪華さがあった、そういう印象なのですよ。

ちらし

ま、ゼイタク言っちゃいけないですね。
なにせ先代猿之助がスーパー歌舞伎を始めたころと今では経済状況が全然違うから。ヤマトタケル初演はは1986年。日本はバブルのピークに向けて行け行けどんどんだった時代です。アッシー、メッシー、ミツグくんなんて言葉もあって...って、いけないいけない、話がそれちゃう。とにかく庶民までお金を湯水のように使うことこそ良いことだ~みたいな時代でしたからね。
べてぃはスーパー歌舞伎、全部は見ていません。ヤマトタケルは当代猿之助の襲名公演で見ただけで、先代のはDVDで見ただけです。三国志は見ました。エンディングで舞台だけではなく客席にまでも大量の桃?の花びらが降り注いだ息をのむ美しさの演出は今でも忘れられません。今まで見た舞台の中で圧倒的ナンバーワン。
もしかするとスーパー歌舞伎にもそこまで豪華ではないのもあるのかもわかりませんが、べてぃが見たものはとにかく豪華でした。

20年も続いたデフレの時代を経て、ここのところちょこっとだけ景気も良くなってる感じはありますが、一つの舞台に80年代と同じだけのお金をかけるのは無理ですよね。それにスーパー歌舞伎の場合は役者さんは全員、歌舞伎役者、それも澤瀉屋の身内だったので、装置や衣装に高額費やしたとしても、良い作品でさえあれば回数上演することで資金回収できます。でも今回の場合は佐々木蔵之介さんが出るというのが大きなウリなので、あの役を誰か澤瀉屋の役者さんが演じて回数こなすというのは難しそうです。右近ってわけにはいかないしね。もしかすると今後も現代劇の役者さんが入れ替わりであの役をやって回数重ねるとか?それなら資金回収できますよね。
やりたいと希望する役者さんがいるかどうか?という問題はありますが。

というのも、佐々木蔵之介さん、もしかすると超お疲れでなのでは?何だか声も動きも覇気がなかったのが気になります。もしかするとああいう芝居なのかもわかりませんが。舞台の芝居じゃなくて、テレビの芝居になっちゃってる感じ。

今回のべてぃの席は前から3列目。そこから要所要所は双眼鏡で拡大しながらジロジロ見て来たので、細かい部分までよ~く見えました。現代劇の役者さんが歌舞伎に出るのは大変ですよね。カツラとかお化粧も自分でやったもの?現代劇のお三人は何だか白塗りが薄くて肌色っぽかったです。白塗りしたら目張りをがっつり入れないと幽霊みたいに顔面蒼白なだけになっちゃうのですが、目張りも口紅もほとんどなかったので、具合悪い人みたいで...それもあって覇気が感じられなかったのかも。
歌舞伎役者さんは化粧は自分でやるのが当然のようですが、慣れない役者さんなので、もうちょっとお世話してあげた方が良いのではないでしょうか。最初の口上の時のカツラ、うまくかぶれてなくて月代の部分がシワシワしてました。ま、そんなのが見える場所に座ってる人はごく一部なので、大した問題ではないような気もしますが、慣れない歌舞伎の舞台に出てくれてるんだから、もうちょっと細かいところに気を使ってあげた方が良いのではないか~?と、それだけです。
昼夜二回、それも各回4時間半にもわたる長時間の舞台です。歌舞伎の世界の人は慣れていても、そうじゃない人が休日もなく毎日これをやり続けるのは相当大変だと思います。蔵之介さん、頑張って!

細かいことをもう一つ書くと、福士誠治さん、泣く場面があったのですが、本当にボロボロと次々に涙をこぼして泣いてました。べてぃは彼は現代劇よりも時代劇の若侍姿が好きです。なので今回もキリッとチョンマゲか?と期待したのですが、そういう役じゃなかったのは残念。でもあの涙流しっぷりはなかなかの演技力です。

そしてもう一つ、衣装はなかなか楽しめました。素材の使い方、布の組み合わせ方が素晴らしかったです。双眼鏡でジロジロ。普通の歌舞伎では見ることのない素材使いで、自分が服つくるのにも参考になります。目に焼き付けて帰ってきました。

色々とケチつけちゃいましたが、新しい試みをして行く当代猿之助のこと、応援してます。
過去のスーパー歌舞伎と比較しちゃうからいけないわけで、充分素晴らしい舞台でした。
激戦の中、チケットとってくださったお友達に感謝です。
2014/03/18(Tue) | 歌舞伎、映画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
帯リメイクのベスト完成、そして浅草歌舞伎行ってきました
完成
先日書いた帯をリメイクしたベスト、完成しました。そしてこれを着て行ってきました、浅草歌舞伎。

見たのは昼の部。
演目は 1.義賢(よしかた)最後
    2.上州土産百両首

「義賢最後」は去年、まさかのオネエキャラで大ブレーク、テレビの影響力ってすごいなぁ~と強く思わせれくれた愛之助が主役。今まで何度も愛之助の演技は見ていますが、今回初めて彼の身体能力にうなりました。体の出来てない役者さんがあの演技やったら、あっという間に大怪我して、本日休演...となるに違いないです。話には聞いていたけど見たのは初めての戸板倒し、そして階段を頭からどどどっと落ちてみたり...実は愛之助はちょっと小太りかも~?と思っていたのですが、あの体は筋肉のヨロイをまとっているからあの体型なんですね。すごかったです。

戸板倒しは複数の黒子が支えながら垂直に立てた二枚の戸板の上に水平にもう一枚、戸板をのせます。そしてその上に役者さんが立ち、最後は黒子一人になって横から押して全体を倒す。役者さんは最後まで崩れる戸板にのってるというもの。2メートルぐらいの高さになる不安定な戸板の上に立ったまま足元がくずれて落ちてくるのって怖いですよね~。びくびくするわけにも行かないし。堂々と最後まで直立してた愛之助、すごい。
加えて驚いたのはそしてどうやってあの戸板を三枚、斜めになることもなく組み立てられるのか?という点です。完全に垂直に脚部分を立てることが出来なければあの芸はできないので。
黒子の技術、すごい。

そして「上州土産百両首」の主役は猿之助。
猿之助を襲名したらもう浅草歌舞伎では見られないと思っていた猿之助の姿を見られるとは。
主役の猿之助は始まってしばらくしてから登場...その途端に劇場全体の空気がかわったような気がしました。力のある役者の持つ存在感というのは凄いものです。猿之助はまだ若いのに。

ところで今回思ったことは、浅草歌舞伎って若手の舞台じゃなかったっけ??ということ。若手の定義は曖昧なので確かに猿之助も愛之助も若いのではありますが、今や大スター。べてぃが浅草歌舞伎に行くようになった頃はまだ20代中心の若手で歌舞伎座で主役を張るようなことはない役者さんが、浅草では主役を張る。未来の大スターを青田買いする場...そんな感じだったのですけど。チケットも確か8000円ぐらいの格安で、お正月気分も冷めやらぬ頃、若いお嬢さんたちが晴れ着に身を包んで初めての歌舞伎を体験する場でもあったはず。

まぁあの頃は猿之助、海老蔵、勘九郎、七之助、菊之助、獅童、松緑....がまだまだほんの若者だった頃だから。今や彼らも若いながらも歌舞伎界を背負って立つ存在。すごい人たちが同年代で揃っていたから若手だけで充分集客できたのかも。
勿論今回も10代終わりから20代初めの若手が頑張ってたんですけどね。でもやはり主役は猿之助、愛之助で若手は脇役だし、二人がすごいからどうしても若い子は見劣りしちゃいます。
べてぃは最近、米吉に注目しています。本当の女の子みたいに可愛いのですよ。菊之助に続く女形に育ってほしいものです。

着用
陣羽織になってないでしょうか~??
着たのはこんな感じで。襟にシルクのスカーフ。下はくるぶし丈のパンツにブーツをあわせて。

元のジャケット実はこのベスト、数年前につくったこのジャケットの型紙の身頃部分だけを使ったものです。
襟だけ変えて他はそのまんま流用。

一つ自分の体にあった基本的なものを作ると、それをベースに色んなものが作れるのが今回わかりました。便利~。

後ろ
後ろはこんな感じ。
スエード調の布です。

スナップ
前開きのとめは透明スナップを使いました。
なにせ前日に完成したのでボタンホール屋さんに出してる間もないし、デザイン的にもその方が良いかと。
透明プラスナップを透明糸でつけてます。
ちょっと離れてみるとスナップはほとんど見えません。

最近着物リメイクからちょっと離れてましたが、こうやって作ってみると、やはり着物や帯のリメイクは新品の洋服布使うのと違う面白さがあって、楽しいです。
2014/01/20(Mon) | 歌舞伎、映画 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
猿之助襲名披露、松竹大歌舞伎 見てきました
幕
見たのは7月21日、北区 王子駅の北とぴあ さくらホールでです。
名古屋御園座など地方公演が行われる舞台があるのは知っていましたが、全国の公共施設の劇場に歌舞伎が出張しているとは思っていませんでした。いや~。なかなか良かったです。コストパフォーマンス抜群。
というのも(社)全国公立文化施設協会 主催の催しで、格安の値段で身近な劇場で歌舞伎を見られる機会が提供されている企画のようです。7月1日から月末までの一月、北海道から西は愛知県まで、東日本全域の公立劇場を毎日劇場かえながらの公演。役者さんも裏方さんも大変....。
協会からのお金が投入されているのか、チケットはなんと、破格のSS席6500円でした。S席4500、A席なら3000円。最初見た時、目を疑いましたよ。歌舞伎座と一桁違うので。先日行ったこけら落とし公演なんで2万円でしたから。

写真は既にお馴染みになった、猿之助の襲名記念で福山雅治からプレセントされた幕です。
最初に見た時は猿翁、猿之助、中車、団子、四人の襲名披露公演だったので、名前も四人分入っていましたが、今回は猿之助だけ。歌舞伎座に比べて公共施設の舞台は小さいから、それに合わせてサイズも小さくつくりなおした幕のようでした。
拡大
でもデザインは同じ。曽祖父、祖父、先代猿之助、そして当代猿之助のクマドリ合体。
何回見ても、良い企画だと思います。

ちらし演目は
1、毛抜き
2、口上
3、義経千本桜 川連方眼館の場 でした。

毛抜きはユーモアたっぷり、義経千本桜の方は動きや仕掛け満載なので、歌舞伎のこと全然知らなくても楽しめる演目です。
歌舞伎初心者が沢山見に来られるという前提での選択だと思います。それに主役が猿之助というのもミソ。彼なら歌舞伎に興味がない人でも一回見てみようか、と思う方も多いはず。

べてぃのように詳しいお友達にお膳立てして貰って、お供して行くとかでなければ、いきなり歌舞伎座に行くのはなかなか敷居が高いです。金額のこともありますし。手軽な値段で、自宅の近くの公共施設でこうやって歌舞伎を楽しめる機会を作るのは、歌舞伎ファンのすそ野を広げるための活動としてはなかなか良いのではないかと思います。

またもう一つ今回特徴的だったのは掛け声が多かったこと。
それも女性でかけ声かける人がお二人も。実はその内お一人はなんと、べてぃの隣りの席の女性でした。
低い声で 「澤瀉屋!」とか、「うっこ~ん」とか、かなり頻繁な声掛けをされてました。
最初、何が起こったのかわからず、かと言って正に隣りの席の方のお顔をジロジロ見つめるわけにも行かず、しばらくフリーズ状態。慣れるのに時間かかりました。

屋号の声かけはよく聞くのですけど、役者さん、それも脇役の方まで名前を呼ぶのは新鮮で、え、その人誰だっけ?とチラシで役者さんの名前確認したり、「そうか...右近を呼ぶときは こ にアクセントつけて呼ぶわけね」とか、舞台よりもその方の声が気になって....。

歌舞伎座でかかる声ってべてぃは男性の声しか経験がありません。それに回数も今回ほど沢山声がかかるのは経験したことないですし、大体かなり後ろの方から声が聞こえるんです。

もしかすると声掛けかける人、仕込んであったのかも。歌舞伎座でもボランティアで声をかけを依頼されている特別な方々がいらっしゃるようですから。
良いタイミングで 〇〇屋! とか、声かかるのは盛り上げに一役買いますからね。それにしてもあの方は何者?澤瀉屋!ぐらいなら誰でも言えますが、脇役さんまで把握し、おまけに三味線の調子を鼻歌で歌ってらしたり、かなり歌舞伎に詳しい方のようでした。

肝心のお芝居の方は...猿之助、やはりうまいです。
キツネの役なのですが、何て言うんでしょうか、「黒塚」で感じた吸引力を今回も感じました。ぐぐっと彼の一挙手一投足に引き込まれるというか。きっと幼いころから身に着けてきた日舞の鍛錬の賜物である所作が美しいのと、ご本人がものすごく集中して演技しているその集中力に見ている側も惹きこまれるんじゃないかと思います。一人の人間の発する気ってすごい!と、優れた表現者の作品を見ると思うわけですが、猿之助の舞台は特にそれを感じます。
いやいや~良いもの見せてもらいました。

北とぴあ
北とぴあの最上階のレストランフロアから見た風景。
すぐ下を新幹線、在来線、路面電車?が走る、鉄道ファン垂涎の場所なのか、立派なカメラを抱えた方がバシバシ写真撮られていました。最初、スカイツリーは下じゃなくて向こうなのに何で下向いてんの~??と非テツのべてぃは思ったものでした。
すっごい眺め良いです。新宿のドコモのビルがはっきり見えましたから、冬の晴れた日なら富士山もかなり大きく見えるはずです。冬にまた行きたい...。

2013/07/29(Mon) | 歌舞伎、映画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
こけら落とし六月大歌舞伎 見てきました
鳳凰丸
新しくなった歌舞伎座、初体験です。
東銀座の駅で降りてメインの改札を出るとそこはすぐに新しくできた「木挽町広場」。広場中心の天井からつりさげられた巨大な提灯がお出迎え。提灯には「歌舞伎座」という文字と歌舞伎座のシンボルマークの鳳凰丸が描かれています。
建て替え前は地下の改札を出てから二人がすれ違うのもギリギリの狭くて急、おまけに暗い階段を上って劇場前の歩道に出ていました。高齢のお客様も多いので、階段の途中で一休みされている方もいらいしたりして、この階段は何とかならないのだろうか?とずっと思っていたわけですが、今回の改築で劇場までのアクセスがものすごく良くなってとっても良いです。
そんなこともあって、広場に着いた段階で、新しい建物への期待高まる。
入り口
エスカレーター利用して一階へあがり、一端外へ。そして正面玄関から入場。
散々テレビで特集していたので見た目、全然昔と変わってないなぁ~と思っていましたが、肉眼で見てもホンマ全然変わってない感じです。新しい建物は妙にぴかぴかで品がない場合もありますが、そんなこともなく既に落ち着いた感じの仕上がり。前は玄関の左右がちょっとごちゃごちゃしていた感じがあったのが、スッキリ整理されて明るくなった感じです。

後ろにビル後ろにビルがくっついてますけど、人間の目線で見ると歌舞伎座とビルは別のもののように見えて、建て替えプランが発表された時に「ビルになるの?え~!!??」と反対意見が多かったと記憶していますが、全然違和感ないです。でも実際はビルが組み込まれているわけで、何倍にも土地を有効活用できるようになったわけですよね。建築家ってすごい。

字幕
劇場内もぱっと見た印象は前とほとんど同じです。でも確実に変わったのは座席の前のスペースが広くなったこと。そして前の座席の後ろにこんなものがついてること。そして床が微妙に傾斜していて後ろに行くにつれて座席の位置が高くなっていること。これは前の人の頭が邪魔で全然見えないなんてことがないような配慮です。でも浅草公会堂みたいな明らかな段差がついてるのとは全然レベルの違う、微妙な傾斜なので、あの程度の傾斜でそんなに大きな効果があるのかどうかは?です。

写真のこの道具は一緒に行ったお友達によると「字幕表示装置」の接続口なのだそうです。
なるほど。外国の方がレンタルしてここに差し込んで字幕で見るわけですね。以前はなかったものです。
そうそう。明らかに変わったものがもう二つありました。以前は確か650円だったイアフォンガイドが700円になってました。そして後はトイレ。女子トイレの数も増えて出る人入る人ごちゃごちゃで混雑していたのが一方通行になってトイレの効率、上がってました。
それに見た目は特徴はないのですけど、椅子が相当良くなったのでは?膝の前のスペースが広くなったのでゆったり座れることも影響してるかもしれませんが、座っていて全然疲れません。今回の公演は休憩含めて全3時間15分と歌舞伎とは思えぬ短さだったというのはありますが、3時間座ってると結構疲れますよね。でも全然。見た目何の変哲もない椅子なんですが、きっとあの中には日本の椅子技術が詰まっているのに違いないです。
緞帳
緞帳も新調。それも何枚もあるのに驚きました。歌舞伎座の幕と言えば定式幕と思っていたので、歌舞伎座にこういう幕があるのを初めて知りました。いつ使うんでしょう?写真はその中の一枚です。

そしてお芝居の中身。
べてぃが見たのは夜の部。
1.鈴ヶ森
2.助六由縁江戸桜 です。
鈴ヶ森は40分ほどで終了。そしてメインの海老蔵の助六。
白塗りの海老蔵はやはり美しい。
そして流石こけら落とし公演。普段なら主役級の役者さんが沢山脇役として登場して盛り上げ、豪華絢爛、なかなか良い舞台でした。
でもやはりこの場に勘三郎も團十郎もいない、この欠落感は大きいです。本当に残念。
二人の不在以外は新歌舞伎座、上手に建て替えして良くなったなぁという感想です。

...と言いながら一つ気になったことがあります。
もしかすると照明の光の種類を変えたのでしょうか?というのもえらく役者さんの顔がくっきりはっきり見えるんです。シワの一本一本まで。照明が強くなっただけなのか、光の種類が変わったのか?専門家じゃないからわかりませんけど、これまでにないぐらいくっきり見えました。

テレビもデジタル、それもハイビジョンの時代になり、くっきり見えるのが当たり前になってますから劇場もその方向性に動くのは当然のこと。でもそこにおける問題は....70歳の役者さんでも芸の力で17の娘役が演じられるのが歌舞伎....という世界はもうそこには存在し得ないです。
厚塗りだからシミは見えないけど、顔のシワやたるみがえらくよく見えちゃうのですよ。蝋燭の灯りだけで見るのとはっきりくっきり照明に照らされて見るのと、同じものを見ても見える世界が全然違います。

江戸時代に始まった演劇を時代に合わせて調整しながら今日に至っている歌舞伎ですから、これからも残すものは残す、変える部分は変えて存続していくのでしょうが、育むのに時間のかかる芸の力と美しい容姿は反比例の関係。う~ん。この点をどう処理していくのでしょうか。
名家の御曹司以外もどんどん容姿に優れた若者を育てて若い世代の役者さんをもっと全面に押し出すとか?

越後谷
お芝居とは全然関係ありませんが、木挽町広場のお土産物屋にあったこれ、結構良いなぁと思って。
「これでよしなに」という名前が秀逸。
「越後屋、お前も悪よのぉ~。うっしっし。」というお代官様の声が聞こえてくるような...って、それって歌舞伎じゃないけど。ま、時代物ってことで。
手軽な値段でウィットのきいたお土産売ってるのって良いですよね。
2013/06/16(Sun) | 歌舞伎、映画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
白梅満開。そして團十郎と演劇博物館
ずーむ
白梅盆栽は一昨日の20度越えの気温で一気に満開。
デスクの上に置いて香りかぎながらパソコンに向かうと、仕事してても桃源郷気分です。
満開

寒い寒いと言っている間に立春。
昨夜は深大寺でいただいた豆で豆まきしました。 福は内!鬼は外!
例年、立春過ぎると春の気配が加速度つけてやってくるのが感じられて、嬉しいなぁ~と思って今朝起きてみたらなんと團十郎さん逝去のニュースでびっくり。

実は一昨日、べてぃはお友達と早稲田大学にある「演劇博物館」に行きました。
目的は歌舞伎関連の展示を見ることです。
色々な資料が飾られていたのは中村屋と成田屋。そして澤瀉屋(おもだかや)。
勘三郎は中村屋、団十郎は成田屋、猿翁は澤瀉屋。
展示を見ての会話は勿論、三人のこと。團十郎は体調はどんなんだろうねぇ?と会話したものの、まさかその2日後に訃報を目にするとは思いもよりませんでした。

新歌舞伎座こけら落としを直前にして勘三郎と團十郎があんな年齢で亡くなってしまわれるなんて...。オペラ座の怪人じゃなくて、前の歌舞伎座にも何か住んでいた怪物がいてそのご機嫌そこねてしまったんじゃないですよね?....と、不吉なことを考えてしまいました。

團十郎の舞台はあまり回数見てないです。でも見た舞台における團十郎の存在感の大きさにはやはり他の役者さんとは違うものがあり、すごいなぁ~と思って見たのが記憶に残っています。
團十郎、海老蔵共演の舞台でした。比較すると演技が上手いとかヘタとかの話ではなくて、存在の大きさの違いみたいなものを感じました。役者に限らず人間って年齢にかかわらず、この人は存在感あるなぁ~と感じさせる人がいますけど、そんな感じの違いです。
成田屋はこれから海老蔵が背負ってたつことになります。
頑張れ!

演劇博物館は日本の演劇について色々展示されています。歌舞伎以外のものも色々。
あまり大きいわけではないので、展示点数は少ないですけど興味のある人には面白いはずです。
ちなみにべてぃが一番心魅かれた(というより目が釘付けになった)のは能面の一つ。
....岩崎ひろみ そっくりなんだも~ん。
写真撮影不可だったのでお見せできないのが残念です。案内してくださる方もいらっしゃるので、小さい声で「ねぇねぇ、 シンデレラ ハネムーン~ に似てない?」と言ってみると友達爆笑。ついでに案内してくださる方も爆笑。
能面を自分の顔にあてて体験してみるコーナーもあります。能面って彫ってる途中で彫りすぎで穴あけたりしないんだろうか?とずっと思ってましたが、実物は結構分厚くて、なるほど!と思ったりも。
きりん
白梅は実はこんな形です。
首長竜みたいな形になっちゃって、盆栽としてはいただけませんが、先日も書いたとおり、こうなってしまったのは震災後に二か月も雨水だけで生き延びた結果です。絶対枯れ果ててると思っていたのに、ちゃんと命をつないでいて、二年後の今はこんなに沢山の花を咲かせているこの生命力には感動があります。
人間も辛い時期を越えることで大きな成長の果実が手に入るもの。海老蔵さん、頑張って精進して大きな花を咲かせてくださいな。
2013/02/04(Mon) | 歌舞伎、映画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
明治座 11月花形歌舞伎の猿之助、見て来ました
ちらし 明治座で11月歌舞伎を見て来ました。
べてぃが見たのは夜の部。
演目は通し狂言の「天竺徳兵衛新噺(てんじくとくべえ いまようばなし」。

今年は1月の浅草歌舞伎で亀治郎としての最後の舞台を見たのを初めに今回で4回目の猿之助の舞台見物です。1月は亀治郎として最後の舞台、そして次の2回は猿之助襲名披露公演。
襲名公演は猿翁が出演したり、同時襲名の中車と団子くんも一緒の舞台でしたが、今回は座頭の猿之助と助演の方々が演じる通常の歌舞伎です。チケットお値段もかなり違います。でも舞台装置も超豪華、そして良い演技をする助演の方々に支えられて、一人で何役をこなした上に早変わり、宙乗りと、八面六臂の活躍を見せる猿之助に、ものすごいエネルギーを感じる舞台でした。

正直言うと最初の頃は話の筋について行けず、うむむ...と思っていたのですが、スーパー歌舞伎で培った演出法なんでしょうか、初めの頃はしっとり押さえ気味に展開している舞台が終わりにむけてすべてが豪華にそしてスピードアップしてフィナーレに向けて走って行くような舞台にやはり惹きこまれて舞台終了。今回も満足な舞台でした。

早変わりがすごいです。それもこれでもかと言うほど何度も。
ヤマトタケルの猿之助の早変わりにも驚きましたが、今回の早変わりはちょっと驚き。そしてその早変わりを助ける小道具も秀逸。まだご覧になってない方には教えちゃいけないかもわかりませんけど、長~い着物の裾をひらひらさせながら飛んでくる幽霊の裾があんなに長かったのは、早変わりのための時間稼ぎの小道具だったんだ...とか、演者の力だけではなく、衣装、大道具、小道具、そして役者を助ける裏方さん、すべての関わる人たちの力が結集してなしえる早変わり。一度の舞台で何度も早変わりすると途中から飽きてしまいそうですけど、毎回、あまりの速さと趣向の違いでほほ~とうなりました。
猿之助はこの一舞台でどのぐらいのカロリー消耗してるんでしょう?早変わりのために走ってる距離だけでもものすごいはずです。沢山の役を一人で演じる舞台。正直言うと一つ一つの役柄がものすごく上手かというと、う~ん。どうかな?という感じはしましたけど、彼の舞台で毎回感じる歌舞伎が大好きだ~!楽しくてたまんないよ~とでも言うようなエネルギーを感じる演技でした。

澤瀉屋の舞台では毎回、役者さん以外のものがあまりによくできているのに感心しているべてぃです。ヤマトタケルの舞台ではあまりに素晴らしい演技をする着ぐるみ(というのでしょうか?)イノシシの演技とか。今回は水に毒が混じり、悶え死ぬ鯉(おそらく)があまりにリアルで、見入っちゃいました。棒の先につけた魚を、奈落の下にいる裏方さんがぷるぷる降ってる単純なもののはずなんですけど、あまりに絶妙な悶え方で、まるで本物の魚みたいでした。ぷるぷる降ってる人が上手なのと、小道具の魚があまりによくできてるのに感心。

そして今回思うことがあったのはイヤホンガイドの解説のこと。
歌舞伎鑑賞ベテランの方はイヤホンガイド不要でしょうが、べてぃはあれなしには話についていけないので毎回借りてます。
あの解説はマニュアルなどなく、開設者の個人が自分の判断で解説されているのでしょうか?今回は1幕目は若めの声の女性。二幕、三幕は聞きなれたベテラン男性の解説でした。

一幕目の解説は舞台の演技がかなり進んでセリフが切れたところで、そこまでの話をまとめて解説。今回は一幕の内にも何回かセット替えのために幕が下りて観客は何の音もない状態で待つことになるのですが、その間は無言。
歌舞伎の決まりごとをよく知らず、言葉もイマイチ意味がとれないべてぃなどは、後で解説されても話について行きにくいんです。そして幕が下りてる間は退屈で...ありゃりゃ、今日の舞台はこのまんまついて行けなくて終わるのかとちょっと残念な気持ちになってしまいました。

ところが二幕目以降の解説は分量も多く、今から何が起こるのかを演技の前に解説したり、後ろに来る時もほぼリアルタイムで入ってくるので「ほほ~、そういうことなんだ」と知識の少ないべてぃも状況がよくわかるわけです。幕が下りている間も歌舞伎に関するミニ知識を色々語って退屈させない心配りがあります。

歌舞伎役者の世界はマニュアルなどない世界だから、解説もその方式なんでしょうか?もし一幕目の方もベテランだったのなら失礼な話ですけど、ただ今次世代教育中で実践トレーニング中だったりして。でももしかすると解説は少なめに、役者のセリフとかぶらないように!というのがこれからの方針になってるとか?う~む。もしそうだったら困るなぁ...。

えんのすけ 舞台が終わってロビーに出ると人だかりがしてたのはこれ。
壁に張り付くように猿之助が立ってる!?...わけではなくて等身大写真でした。全くの平面なんですけど、最近の写真技術はすごい。立体に見えます。隣りに立って猿之助とツーショットの記念写真とって帰る人がいっぱい。これはなかなか良いサービスかも。

今回の舞台もたっぷり楽しませてもらいましたよ~。ありがとう、猿之助さん!


2012/11/11(Sun) | 歌舞伎、映画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
猿之助、中車襲名披露 7月大歌舞伎 見てきました
飾り幕
福山雅治デザイン&寄贈の飾り幕です。先月はかなり右側でしたが今回はほぼ中央で見せていただきました。おかげで今回もちらりとしか登場しなかったこの飾り幕の写真も、先月のとは違ってほぼ正面からです。

7月7日、雨の七夕の夜の部を見せてもらいました。
演目は
1.将軍江戸を去る
2.口上(團十郎、海老蔵、新 猿之助、中車、團子)
3.黒塚
4.桜門五三桐(さんもんごさんのきり)

前回のスーパー歌舞伎ではべてぃ注目の中車は出番はちょこっと。昼の部の演技は見てないので、今回初めて歌舞伎役者としての中車をじっくり見ることができるということで、楽しみにしていました。加えて市川宗家の團十郎と海老蔵も登場するし、8年ぶりに舞台復帰の猿翁がなんと役者として登場して海老蔵と共演する。おまけに口上もある....見どころがあまりに多くてどうしましょう!?という舞台です。
三人
まずは「将軍江戸を去る」。
江戸城を出て上野にいる将軍慶喜(團十郎)を、中車演じる山岡鉄太郎が説得して水戸に向かわせ、官軍幕府軍の衝突を防ぐというのが粗筋です。海老蔵も出てますが、ほとんどが團十郎と中車の会話で進みます。中車のセリフの量は半端じゃない。

見てべてぃの頭を占領したのは.....一体、マツケンショーと歌舞伎は何が違うのか?歌舞伎の定義は何なのか?という疑問でした。
行ったことはありませんがワイドショーなどで知るマツケンショーもこの舞台同様、第一部は時代劇、第二部は歌謡ショーでマツケンがきらびやかな衣装を着て歌い踊る舞台。無理やりではありますが、今回の演目と同じ構成と言えます。

コクーンでやっているような全くの新作も歌舞伎です。ストーリーも演出も新しいし、言葉も現在の言葉なのでイヤホンガイドなくてもOK。中には「これは歌舞伎として見なくても良いなぁ」と思う新作もありますが、そういうものも見てる側には歌舞伎に見えるんです。
そもそも歌舞伎はどんどん新しい要素を取り入れて変化して来たものなので、今の姿で固定化するわけじゃないと思うのですけど、江戸時代は他に演劇はなかったから、どんなに変化しても歌舞伎は歌舞伎だったわけで、色んなものがある現在においては他の舞台と全く同じになったのでは歌舞伎としては存続できません。ここだけははずすと歌舞伎ではなくなるという何かがあるはずです。

これはべてぃだけが感じたことかもわかりませんが、中車の演技は上手なんですけど、いわゆる「時代劇」に見えちゃいました。だからマツケンショーが頭に浮かんだわけです。片や相手役の団十郎は筋金入りの歌舞伎の芝居。二つが合わさると、中車の長台詞の後に團十郎が口を開くと、一瞬、團十郎のセリフが滑稽に聞こえてしまう...そんな瞬間がありました。
先月も書いたように、歌舞伎は決まり事を全員が守って絶妙なバランスと調和の上に成り立っているからこそ、大げさで不自然な演技も滑稽どころか感動を呼ぶものになるわけで、異質なものが入ることで調和が崩れると学芸会化しそうなギリギリ感を感じます。今回は中車の出番が多い分、しばらく彼の演技を見ているとそれに慣れちゃうんです。時代劇の舞台見に来てる状態。で、團十郎の方に違和感感じる。
勿論、演技が下手なわけでは決してないです。時代劇の舞台だったら相当上手な役者さんのはず。
なのに何で歌舞伎じゃなくて時代劇に見える???と考えて思い当たったのは声。

先月感じた「声枯れかけてるけど、公演終わりまでもつのかしら?」という感じはなかったですけど、他の役者さんに比べて声に伸びがないし、音域が狭いのですよ。伸ばそうとすると声が割れる感じ。元々がそういう声質なのに加えてまだ訓練が足りていないのだと思います。
週刊文春の林真理子のコラムには「既に歌舞伎の発声法もマスターしていてすごい!」と書いてあったから、べてぃが間違っているのかもわかりませんけど。

そんなこと考えながら声に注目して見ていて気づいたのですけど、歌舞伎の大きな要素は声の芸なんですね。
たとえば新 猿之助や団十郎のトークは2オクターブ?近い音の間を縦横無尽に上がったり下がったり、それも表の声と裏の声を行きつ戻りつも加えた上で、早い語り遅い語りも入り混ぜて。
今まで歌舞伎ってこんなものだと思って聞いていた、そのセリフ回しが究極の芸なんだということに初めて気づきました。あまりに自然にやってるので、「普通じゃないしゃべり方」ぐらいに思っていましたが、きっと相当の訓練をしないとあの自在な声使いはできないと思います。
決して歌ってはいないけれど、歌舞伎の話芸は音楽....オペラに通じるものなのかも。

猿之助が2オクターブなら中車はドレミファソぐらいの間でとどまっている感じです。
歌舞伎独特の裏声みたいな高音を散りばめるのにはトライはしているけど、まだ成功できてない感じだし。

あ、そのことについては実は今回、口上だけに登場した團子くんは、見事にやってのけて、驚きました。お上手。彼の初舞台は先月と言い今月と言い、あまりに印象的です。彼には今まで見た子役さんには感じたことがない何かがあります。何なんだろう?...度胸の良さは才能として大きい。そして見る者にぐぐっと強く伝わってくるのは「覚悟」でしょうか。親に言われたからやってます、ではあんな風にはならぬはず。
あの年にして覚悟が決まってる.....これはすごい。

話それました。声のことで言うと実は海老蔵も団十郎も声の質はくぐもっていて、あまり聞き取りやすい声質ではないと思います。海老蔵は新之助の時代から見てますけど、今回見て、声の伸びや通りがよくなってるような気がしました。精進の賜物でしょう。
中車は歌舞伎の世界に入ってまだほんの少し。同じレベルを求めるのは当然無理です。
きっと彼のことなので、努力を重ねて次の舞台では大きく進化した声の芸を見せていただけるものと期待しています。
猿之助
新 猿之助の劇場外の看板です。自由自在に飛び回ってるイメージで、今の猿之助にぴったり。

3つめの演目「黒塚」は猿之助の舞台。
感想はただ一言。素晴らしかった!です。
長い踊りが見せ場の演目なので、寝ちゃうかも....と、連れて行ってくださる歌舞伎通のお友達に言われていたのですが、眠くなるどころか、ぐぐっと惹きこまれて前のめりになって見入りました。
猿之助、すごいわ。

日舞の上手下手はべていには全くわかりません。
これまで見た踊りが中心の舞台は、見てても何が良いのかさっぱりわかんないなぁ...と思ったものがほとんどで、確かに寝ちゃったものもあります。黒塚の踊りのシーンは今まで見た中で最も長いセリフなし&踊りのみのシーンだと思うのですけど。

猿之助の役は「夫の不義に怒り狂った結果、人を食らう鬼女になってしまった老女」という、笑えない役です。
鬼女が團十郎演じる高僧に諭されて改心する。その心情を踊りで表現する場面なのですが、その踊りが何というか....鬼女になりきっている猿之助の集中力が渦となって客席に届き、渦の中心である猿之助に吸い寄せられるというか、猿之助が発する強い気に絡め取られて見入ってしまうというか、そんな舞台でした。
芸の力はすごい!
加えて思ったのですけど、植物も動物も旬のものは美しいし内に持つエネルギーの量が多いです。旬のとれとれ野菜がぴかぴか輝いて、食べると旬のものだけが持つ栄養や良い気を貰うことができて、健康になれる。それを同じで、人間にも旬があります。今の歌舞伎界は20代、30代の生物として旬でありながら役者としても一定の芸のレベルに達した役者さんが沢山。
人生後半戦に入り、自分の持つエネルギーが縮んでる自覚があるべてぃは、生物的にエネルギーの盛りの人から良い気を貰うのは衰えていくものの補給につながるような気がします。勿論いくら生物的に旬でも、芸のレベルが低くては話にならんわけですが、黒塚の猿之助は双方抜群。良いもの見せてもらった上に、良いもの貰っちゃったよ~ありがとう、猿之助!そんな舞台でした。

黒塚は舞台セットも秀逸。
踊りの場面は一面ススキの生えた野原に木が一本。バックに大きく輝く三日月。これだけのセットなのですが、鬼女の踊りをシンプルでありながら最適に引き立てる美しいものでした。三日月のサイズがちょっと違うだけでも全然違うものになりそう。今まで見た歌舞伎のセットとはちょっと違う?べてぃの美観に訴える素晴らしいセットに裏方さんの力を感じました。

最後の「桜門五三桐」は何と10分の超短縮版です。
見どころはやはり猿翁のセリフ。そして黒子として登場して猿翁の手を支える中車。
口が自由に動かない猿翁が懸命にセリフを....8年ぶりの舞台です。
猿翁襲名、そして中車との親子共演は大きな話題ですけど、おそらく猿翁の舞台はこれで最後ですね。立派に育った後継者たちと共演の舞台を見ることが出来て良かったです。

そして最後に今回も「え、そんなこと見てたの?」ポイント。
黒塚の鬼女、鬼に変身した時に思ったのは「ん?猿之助、舞台裏で氷イチゴ食べた?」。
まさかねぇ~。目の錯覚かと思って4列目の席なのに双眼鏡でじっくりお口を観察。いやいや錯覚じゃなくて、口あけた時の舌がは真っ赤でした。
人を食っちゃったお口だからですね~。そんな細かいところまでお化粧してるんだ~と驚きました。何塗ってるんでしょう?

あ、それと歌舞伎とは全然関係ないのですが、3列目中央の席に海老蔵にそっくりな方がいらっしゃいました。年齢も近いから従弟?海老蔵に役者じゃない従弟っているんでしょうか。べてぃの位置からでは横顔しか見えなかったのですけど。横顔があれほど似てたら正面もかなり似てるはずです。左耳にダイアの一粒ピアス。
歌舞伎のお楽しみの番外編は有名人のお客さんや役者さんの奥様のお姿を拝見できることです。他人のそら似かもわかりませんが、3列目中央といえば特等席で特別なお客様のはずです。う~ん。どなたなんでしょう。

中車については厳しいこと書いちゃったような気がしますが、べてぃはやはり香川照之のファン。期待を込めたエールです。中車の歌舞伎界参入のおかげで、今まで「今日の○○は綺麗だったわぁ~」とか「豪華な舞台でしたね」とかのレベルの歌舞伎鑑賞しかできなかったべてぃもちょこっと深く歌舞伎について考える機会をいただき、また違った角度で鑑賞できるようになりました。世の中的にも歌舞伎への関心が高まったはずだし。伝統の世界に新しい風が吹くのは業界全体の新たな躍進の機会につながるはずです。
中車、大変だと思いますが頑張ってく欲しいです。

誘っていただいたお友達、そして澤瀉屋の皆様に感謝です。



2012/07/08(Sun) | 歌舞伎、映画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
猿之助、中車、襲名舞台見て来ました
飾り幕
福山雅治から贈られた飾り幕です。

くまどりは新・猿之助の口上によると彼のおじいさん、ひいおじいさん(間違ってたらごめんなさい。でもとにかく血縁3人)のクマドリを重ねたものだそうです。
違う人のクマドリを横や縦に並べたものはよく見るデザインだけど、重ねたのは珍しい。福山雅治のアイディアだとか。
歌舞伎の世界は血縁の世界。同じ血=似た顔だちを受け継ぐ親族が血と共に芸を受け継いで行き、見る側はその日の舞台だけでなく、その裏にある歴史を楽しむ。点ではなくて線で楽しむ芸術なんだと思います。べてぃはディープなファンでもなく観劇歴も短いからそんな見方はできないけど、「先代がこの役をやった時はねぇ....」みたいな、時空を越えた楽しみ方ができる点で他にない芸術だと思います。

3人のクマドリを重ねたこのデザインは歌舞伎のそういう面を一枚のアートとして表現していて、福山雅治、すごい!

実はべてぃはワイドショーでこの幕のことを知り、写真撮らねば!と楽しみにしていました。でも会場についてみるとかかっているのは普通の定式幕。あれ~??と思っていたら、一枚開いて出てきたのがこれ。おお!でも既に幕は開いた状態なので、写真撮って良いのか?とためらったけどあちこちでシャッター音聞こえるので、ま、良かろうと。どうせずっと見られるから後で正面に行って、もっと良い写真を撮ろうと思っていたら、なんとこの幕が披露されたのは最初のこの数分だけでした。これから行かれる方はそのおつもりで。
アップ
アップ。違う人のクマドリがこんなに重なるのは顔のパーツの配置バランスが似てるってことですよね。血ってこういうことなんだ....。

パンフ見たのは夜の部。
演目は「ヤマトタケル」元祖スーパー歌舞伎。
主役ヤマトタケルは亀治郎改め新 猿之助。べてぃ注目の香川照之=中車はタケルの父、大和の国の王の役。そして団子(だんこ)を襲名した香川照之の息子はタケルの息子役です。
ヤマトタケルは親子の確執を乗り越えて....というのがテーマの一つの演目で、よくぞこの襲名公演にこの演目を選んだものだとちょっと驚きです。

見ての感想は.....豪華絢爛、圧巻の舞台でした。
スーパー歌舞伎は新 猿翁が倒れる前後に何回か見たことがあります。舞台装置、衣装の豪華さと芝居の終わりに向けて盛り上げていく演出は古典歌舞伎にはないものがあり、長いんだけど舞台最後には会場一体となってのめり込んでいて、長さを感じない舞台だという印象でした。ヤマトタケルを見たのは今回が初めて。この舞台は他のスーパー歌舞伎以上に豪華で躍動感がすごかったです。
コクーン歌舞伎で新作の歌舞伎を見てますけど、中には「ん?これって歌舞伎として見なくても良いのでは?」という演出のものがあります。でもスーパー歌舞伎は歌舞伎でなければできない舞台であるのに斬新で、良い形の進化形に思えます。

終盤に向けて盛り上げに盛り上げて行って最後はチラシの写真の宙乗り。今まで見た宙乗りではなかった、行きつ戻りつの長い宙乗りで、会場皆上を見上げて一体化。拍手の嵐。
そして最後の最後は普通、歌舞伎にはないカーテンコール。
役者さん全員出てきてのご挨拶です。
それも二回。
二回目の幕が上がると会場「おお~!」とどよめく。
何?と見るとそこには昔に比べてずいぶん小ちゃくなった猿翁が....驚きました。勿論、全員起立。スタンディングオベーションです。
猿翁登場は土曜日だったから?それとも毎日なんでしょうか。
プログラムにはなかった口上が夜の部にもあったし。

亀治郎....じゃなくて猿之助はこの前の舞台で初めて注目した役者さんですが、今回見てやはりすごいわ!と思いました。
べてぃは猿翁はもうよろよろで舞台の上でもほとんど動かないで演じるようになってからしか見てないので、動きについては比べられないのですけど、声がそっくり。まだ三十代で若いから舞台全体を圧倒するようなオーラは感じないけど、そのエネルギーと舞台の上でひらりひらりと自由自在に演じている印象はちょっと勘三郎に通ずるものを感じます。今回は40代で歌舞伎の世界に飛び込んだ中車のこともあるので、よく見てみると所作の端々に子供のころから精進して来た稽古事から来る繊細な動きが見て取れて、大胆にして繊細、そして歌舞伎役者という仕事が大好きだ~!というエネルギーが伝わってくる役者さんだと感じました。
これからの成長に期待大です。

そして注目の中車は.....出番の少ない役なので何とも言えませんが、何か違和感を感じるのはもしかすると発声法が違う??まだ初日から数日ですけど、既に声が枯れ始めているようにも聞こえました。一月にも及んで昼夜二講演をこなす役者さん。それもマイクなしです。この点、べてぃはずっと不思議に思っていました。現代劇の役者さんの顔には小さいマイクが張り付けてあるのに歌舞伎役者はそれがないし、明らかにしゃべっている口から音が聞こえてきます。あんな大きな会場の隅々まで。今、調べたら本当にマイクなしなんだとのこと。おお~!
だからあのしゃべり方なんだ!と納得しました。
地声とは違う発声法なんだと思います。でもそれってそんなに簡単に身にはつかないですよね。
そして演技の方もなんだか全体の調和からほんのちょっとはずれているような感じも。
歌舞伎は決まり事の中で演じるある種不自然な演技。映画やテレビドラマのようなリアリティ追及の演技とは別物です。演じる側も見る側もそういうものだと思って見ているわけですが、トータルでのバランス&調和がとれているから舞台として成り立っているんだと思います。その調和が崩れると一気に学芸会みたいになっちゃいそうなすれすれ感をべてぃのような浅いファンは感じるわけで、ちょこっとそれを感じました。
中車、舞台最終日まで頑張ってください。

息子さんの団子くんは初舞台というのにえらく長いこと舞台に居て、大人の長台詞の間、退屈なのか、時々お口むぐむぐしちゃったりするのはご愛嬌。芝居の上手下手はまだ問う年齢じゃないから置いておいて、堂々の役者っぷりでした。緊張してる感じ全くなく、長いセリフもすらすら完璧。将来の大者の期待大です。

そんな満足な舞台だったわけですが、本題からはずれることもちょこっと書いてみると....べてぃは右近のことが気になりました。猿翁が倒れた後は主役としてスーパー歌舞伎を支えてきた人ですけど、血縁じゃないお弟子さん。今回の猿之助、中車襲名についてはどんな気持ちなんだろう?と。
今回、猿之助を助ける家来の重要な役を演じてはいたけれどきっと複雑な気持ちだろうなぁと思った次第です。ま、歌舞伎の世界はそういう世界だからと割り切っているのかもわかりませんが、凡人のべてぃだったら納得できないなぁ。ぐれちゃいそう。

そしておまけ。
毎回べてぃの歌舞伎の感想には「え、そんなこと見てたの?」ということ書いてるわけですが、今回のその他注目ポイントは「イノシシの演技力」。ヤマトタケルに退治されるイノシシです。
チアリーダーのボンボンと同じ素材?の毛をサワサワ言わせながらものすごいスピードで舞台、花道駆け回り前足を高くあげるイノシシ。本物の動物みたい。顔も可愛いからイノシシが出てる間、人間そっちのけでイノシシに釘づけになりました。歌舞伎の四本脚動物は前後二人が入ってるはずなのに、あのスピードと一体感。どうなってるんだろう....。演技賞をあげたい。
あの可愛い顔とボディ作った方にも。勘九郎襲名舞台ではあまりにしょぼい昇り竜にけちつけてしまいましたが、今回の舞台は衣装も大道具も小道具も、そしてイノシシも誠によくできていて、役者さんだけじゃなくて裏方の皆さんに大きな拍手をおくります。
素晴らしい舞台を楽しませてもらいました。ありがとう。






2012/06/10(Sun) | 歌舞伎、映画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
六代目中村勘九郎 襲名披露公演 見てきました
勘九郎
さすが中村屋の御曹司の襲名公演。豪華でした。

べてぃが見たのはお昼の部。
演目は
1.鳴神(なるかみ 歌舞伎十八番の一つ)
2.土蜘(つちぐも)
3.河内山

何が豪華かかというと、衣装も舞台セットも豪華だけどこれは演目選択次第なので、豪華なのは何と言っても出演者の顔ぶれ!
仁左衛門、吉右衛門、勘三郎が三人そろって端役を演じる。
下っ端の家来役で、三人がおそろいの衣装着てそろってひょうきんに踊り、ずっこける姿なんて、普通に考えたらありえないこと。襲名公演ってこういうことなのね....。
他にも勿論、中村ファミリー七之助、橋之助、福助。それに三津五郎も勢揃い。
それに仁左衛門の三兄弟も勢揃い。
いやいや、すごかったです。

でもそれはそれで問題が....お祝いに駆けつけてくれた人たちがあまりに凄すぎて、主役を食っちゃってるというか、主役が誰なのかイマイチわからず。ありゃりゃ。

鳴神には勘九郎は出演せず。
河内山の主役は仁左衛門。勘九郎も出てたけど、何と言っても仁左衛門様より輝くのは難しい。べてぃの好きな着流し姿じゃなくて、河内山はお坊さん姿。頭つるつるカツラになっても仁左衛門様は美しい。
土蜘の主役は勘九郎。
でも土蜘は演者が沢山出てくるし、端役に重鎮を持ってきたことでそっちが気になっちゃいました。

勿論、六代目も頑張ってましたよ。
勘太郎のことは(....って、思わず言っちゃう。勘九郎という名と人物がマッチするまでかなり時間がかかりそうです)テレビを通して子どもの頃から見てきたから、親戚の子みたいな感じ。舞台で最初見た時は、こんなにヘタでこれからどうするんだろう?なんて感想持ったりしたのに、以来、ずいぶん精進して芝居も踊りも本当に上手になったし、顔も良くなったし、存在感もどんどん増してます。人って成長するもんだなぁと、他人ごとながら感動がある人の一人なんです。
でもなぁ....名門に生まれたってことは背負ってる荷物も重いというか...祝う気持ちがちょっとマイナスに働いたというか。海老蔵の襲名公演の時はここまでの顔ぶれがそろってはいなくて、誰がどう見ても海老蔵が燦然と輝く主役として君臨してた記憶があります。演目や出演者決めるのは勘九郎本人じゃないから、ちょっと気の毒だったかも.....。

でも公演自体は良かったですよ~。
べてぃは仁左衛門様の河内山を見られて嬉しかったです。
それに土蜘は超豪華な舞台。様式美の極致。日本の美意識が凝縮した舞台に感動しました。

もう一つケチつけると、鳴神の龍神はなんであんなしょぼいのにしちゃったんだろう?結界として張られているしめ縄を切って、滝に閉じ込められていた龍神を解放するというシーンがあるのですが、縄切った途端に滝を上ったのは「ん?んん?今のはウナギ?もしくはツチノコ?」みたいなひょろひょろの小さくて長いものが昇って行って、目がテン。笑っちゃいました。衣装代かかり過ぎて龍の予算けちった?
絵馬
ロビーに飾られたお祝いの絵馬。べてぃの好きなアーティスト、永田哲也さんの作品のはず。和紙を菓子型にはめて成形した作品。何度か個展を見にいったことがありますが、こういう場でこんな風に作品使われるなんて、どんどんメジャーになっておられる感じ。
唐沢
そうそう。写真とは全然関係ないけど、今回は後見の人や大道具さんが舞台上で大活躍でした。
クモが放った糸を短時間で巻き取って舞台をきれいに保つ役の人の目は真剣。
そして大道具の人に白人男性が混じっているのにも注目。一目でわかる外国人。相撲と違って、歌舞伎の世界は日本人オンリーかと思ってたけど、いらっしゃるんですね。役者になるのは難しいだろうけど、裏方さんの人種が多様化するのはありうる話です。

役者さん、後見さん、裏方さん、皆真剣に勘九郎の襲名舞台を成功させようと頑張ってる舞台でした。
みんなの期待を背負って、頑張ってね、六代目。
2012/02/06(Mon) | 歌舞伎、映画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
亀治郎、すごいわ
sakura
浅草寺の境内に咲いていた桜....桜ですよね?
秋には季節はずれのソメイヨシノが咲いてニュースになったけど、こんなに咲いてるんだからきっとこの季節のものですね。梅より先に咲く桜なんてあるんだ。

既に満開を過ぎてしぼんだ花も見える中、寒風に可憐な姿をゆらゆらさせていました。
かわいい~♡

先日の続き。
浅草歌舞伎は久しぶり。
お正月恒例の舞台です。若手役者だけの舞台で、場所は浅草公会堂。衣装も道具も演目も本格的なものだけど、役者が若手のみということでチケット格安。べてぃは勘太郎や七之助などが出ていた頃は毎年お正月に行っていたけど、しばらく足がとおざかってました。
でも今年は亀治郎が猿之助を襲名するので、浅草歌舞伎は最後だから見ましょう!と歌舞伎チケットをいつも手配してくださるお友達に誘われてお供。

見た感想は.....亀治郎、すごい!
そして彼以外にもこれから期待できる若手、結構いるのね~という発見があって嬉しい。

実はべてぃは亀治郎の舞台は随分前に猿之助のスーパー歌舞伎で見ているらしいのですが、全く記憶にない。ま、ずいぶん前のことなので、大した役じゃなかったはずだし、芸も未熟だった頃のこと。
彼はその後歌舞伎の舞台以外にNHKの大河とか民法のドラマなどテレビにも沢山出演。テレビではかなりの回数見て、特に気になる役者さんじゃなかったので、全く興味持ってませんでした。仁左衛門様のように容姿的にほれぼれするというタイプでもないし。
でも今回見てみて、彼は舞台役者としてすごいんだと感動しました。

演目は「通し狂言 敵討天下茶屋聚(かたきうちてんがじゃやむら)」。

普通、歌舞伎は一つの舞台にいくつかのカラーの違う演目を組み合わせて構成されています。演目によってはみんな熟睡タイムになっちゃったりも。今回は通し狂言なので一つの物語を何幕も続けて見ることに。下手すると途中で飽きちゃうかも....とちょっと思ってましたが、全くそんなことはない。いつものように話の一部だけを演じられるよりも、ストーリー全部わかるし、演出も終わりに近づくにつれてどんどん盛り上がり、寝てる暇なんてなかったし。
亀治郎は一人二役、最初から最後まで出っ放し。オーラ満開、存在感満点。
悪者役があまりに上手い!!
おまけにアドリブ入れて笑いとったり、客席に降りてきて客の足元にしばらく隠れているという演出なども織り交ぜて、舞台と客席は一体化。

実は今回、べてぃの席はなんと中央前から4列目の通路から2席目。
追いかけられて「どなたかお助けくださりませ!」と客席に降りてきた亀治郎....はい!!っと元気に手でもあげれば良かった。というのも誰も反応しないから、べてぃの目の前の席に座られていたおばあちゃまの前に亀治郎もぐりこんでしばらく滞在。べてぃの席からは手を出せばカツラにさわれる状態。
惜しかったなぁ....。

勘三郎の舞台ではこういうことはよくあります。特にシアターコクーンでは。
なので激しいアドリブで相手役がこらえきれず笑っちゃったり、客席を巻きこんだりするのは勘三郎の専売特許だと思ってたのですが、永年、猿之助の家の後援会会員であるお友達によると、猿之助の演出もそんな感じなんだそうな。へぇ~。
確かに後半の馬が出てきたり、屋根裏を使った横の広がり×縦で舞台全体を使って動きのある芝居だったり、スーパー歌舞伎にも通じる演出だったような。演出だけじゃなくて演技的にも猿之助は悪い奴の役がものすごく上手だったのだそうです。(べてぃはその頃はまだ歌舞伎と無縁。)亀治郎は猿之助の甥っ子。声も似てます。
猿之助と言えば香川照之が驚きの歌舞伎に参入で、どんな役者さんになるのか楽しみ。
猿之助が舞台に立つことはもうないのだろうけど、血筋の二人が立派にその後を継いで行く。歌舞伎の世界はこれからますます面白くなりそうです。

そうそう。今回は亀治郎以外に愛之助と薪車(しんしゃ)にも注目。
初めて見た役者さんです。愛之助は先日のスキャンダルで顔は知ってたけど、舞台は初めて。薪車は全くの初めて。若手と言っても二人とも三十代かな。
他にも三津五郎の息子とか色々若手がそろっている中、この二人に注目したのは何と言っても容姿が良い。
役者としては大切なことだもんね~。
愛之助は仁左衛門様に似てる...確かお兄さんの養子のはず。血縁なの?仁左衛門様よりちょっと線が太いけど、侍姿が美しいのです。そして薪車はちょっと坂上しのぶ入ってるけど、もっと貫禄ある美男。
先が楽しみ~。

浅草歌舞伎の楽しみ方として、新しい贔屓の役者さんを見つけるというのはなかなか良いです。
ますます歌舞伎は面白くなりそう。
2012/01/10(Tue) | 歌舞伎、映画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
老舗の味、ハヤシライスはうまかった
よしかみ
昨日は歌舞伎を見に浅草へ。

歌舞伎は3時開演なので、前回の「どぜう」に続いて、下町の老舗の味を味わってから歌舞伎見物に繰り出そう!ということで行ったのは洋食屋「よしかみ」。
歌舞伎仲間の一人が東京のお店に詳しい人なので、べてぃはついて行くだけ。どぜう→洋食。バリエーションあって良いなぁ。
店の前に到着したのが正午前。あら!まだ行列ないじゃん、やった!と思ったのはぬか喜び。脇の道から行ったから行列が見えなかっただけで、正面に出ると既に長蛇の列。うむむ。でもこのぐらいなら三時を過ぎることはないに違いないと、おとなしく並ぶ。

写真はお店正面にあるメニュー棚?
う~、なんて自信満々な看板であることだよ。名前は聞いたことはあってもグルメではないべてぃは予備知識ゼロのお店。待ってる間に店の外に張ってあるメニューの説明を熟読。どうやらデミグラスソースとステーキで有名らしい。そしてイチオシ&一番人気はハヤシライス。ステーキに比べると価格がお手頃だからでしょう。でも店の外に「ハヤシライス、まだあります」と看板がかけてあるぐらい、毎日途中で売切れるらしい。売切れたら何にしよう??とか、待ってる間も結構面白い。
ちなみにべてぃは卵好き。なので「オムライス」にひかれるわけですが、オムライスの説明書きは「若い人には人気」。うむむ。若い人には....ただの「に」ではなく「には」という日本語のニュアンスは「おばさんには不人気だけどね~、それでもあんた、頼むわけ?」と、挑戦状をたたきつけられてる感じ。
挑戦されたら受けてやろうじゃないの!という気も半分。
でもせっかくデミグラスソースで有名な老舗洋食屋なんだったら、ハヤシかなってことでハヤシに決定。
はやし
これがよしかみのハヤシ。1250円なり。
お味は....実はデミグラスソースを美味しいと思ったことのないべてぃの舌にもうまさの伝わるお味。
美味しうございました。
さすが老舗。長いことその味でお客を引き付けてきたのには理由があるのですね。
食べログのやらせ問題が発覚したばかりだけど、ここの行列はホンマモンの行列でした。

お昼の後はお茶して目的の歌舞伎へ。それはまた明日にでも
2012/01/08(Sun) | 歌舞伎、映画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
初どぜう鍋。そして平成中村座。
どぜう
先月に続き行ってきました平成中村座。

こんけぇはせっかく浅草に行くってぇなら江戸っ子気分を味会おうぜ!まずは「どぜう」で腹ごしらえしてから芝居にくりだすってぇのはどぉでぇ?ってなことで、まずは「駒形どぜう」へ。

ビルに下がった垂れ幕によると創業210年。江戸時代創業。ほぉ~。
店の前には沢山の大根が干してある。自家製タクワン製作中?
座敷一階入ったらすぐにお座敷。テーブルなし。昔のように床に鍋を置いて食べます。
二階と地下にも部屋が。地下は椅子のあるテーブル席です。
風情があるのはお座敷で、江戸っ子気分で食べるのが一番だけど、何せぐつぐつ煮える鍋から口までこぼさずにドジョウを運ぶ箸技に自信なし。ということで地下へ。
鍋
炭火の上にドジョウが20匹ぐらい詰まった鉄鍋。ぐつぐつ煮えてきたらネギを好きなだけのせて食べます。薬味は七味か山椒。ネギは食べ放題。お願いしたら追加が来ます。

お味は....おいしい!!味つけはあっさりした甘辛だれ。下ごしらえがしっかりしているので、骨も臭みも全く感じず、おお~、どぜう鍋ってぇのはこんな味だったのけぇ。

周囲のお客さんを見るとどぜう鍋のセットとは別にささがきごぼうを注文されていたり、鍋つつきつつもだし巻卵などもオーダーして日本酒飲まれてたり。むむむ。通な人はそうやって楽しむんだ.....。次に行くときは是非。
べてぃは出不精なので東京に住んでいるとは言っても、誰かに誘われないと江戸の名所観光に行ったりしないのです。東京在住十数年にして初の江戸の味。誘ってくれたお友達に感謝です。

どぜうの後は浅草散歩。そして夕方から歌舞伎。
今回の演目は
1.芦屋道満大内鑑
2.積恋雪関扉
3.松浦の太鼓

今回特筆すべきは女方3人。
菊之助、扇雀、七之助。
特に菊之助。ま、あくまでも歌舞伎素人のべてぃの感想ですけど。
菊之助と七之助という、今女方として最も美しい二人を同じ演目で見ることができるのは珍しいはずです。

そして扇雀の技には正直言って眠かった目が一気に覚めました。
舞台の上で4枚の真っ白な障子に筆でさらさらと歌を書くシーン。一部は下から上へ。一部は左手で鑑文字でと失敗したらやり直しがきかないシーンを見事に。出来上がった文字もご立派。
役者ってお習字も達人じゃないとやれないんだ!と驚き一つ。
殿様の恰好して長時間座ってるだけのシーンは「扇千景が代役で座ってても見分けつかないかも....」とか、くだらないこと考えちゃいましたけど。

そして女方の菊之助はあまりに美しい!
あの顔から首、背中にかけてのふくよかなラインはとても男とは思えない....。やはり最盛期の太一喜和子の美しさを思い出すんだな~。七之助はやせてるからノドボトケが気になるけど、それが全くなし。福助、そのほかの女形の名優は芸はすごいけど、しわが.....と、下世話な観客で申し訳ない。でもやっぱ気になるんですよね~特にホウレイ線とか。そのホウレイセンで17の娘はないだろう....とか。ああ、やっぱこれは言っちゃいけないですよね...歌舞伎ファンの皆様、すみません。

菊之助については双眼鏡で拡大してまじまじ見ても一点の文句のつけようもない美しさ。
役者も年齢を重ねて芸に磨きをかけて年齢ごとに違う良さがあるはずだけど、文句なしの肉体的美しさを誇れる時代はそんなに長くないはずだから、今輝く菊之助の美しい姿を目にすることができたのは有り難いことです。

おまけに今回は菊之助の立役を初めて見ました。
男性の恰好すると顔が菊五郎パパに似てる....両親の良いところを絶妙なバランスで貰って、幸せな役者さんです。長台詞を堂々とこなして立役もなかなかのものでした。これからが楽しみな役者さんです。

くも中村座前で撮ったスカイツリー。
昨日は快晴。不思議に長くたなびく雲が沢山あって、そういえば今夜は皆既月食。引力のバランスもビミョーな日だからよもや地震雲では....とちょっと不安になったけど、何事もなく終了。良かった。
2011/12/11(Sun) | 歌舞伎、映画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
平成中村座、11月公演を見てきました
中村座
風邪もまだ完治せず体調イマイチの上にお天気は大雨強風の中、行ってきました、平成中村座。おかげで風邪がぶり返しちゃいましたけど、良かったですよ~。

見たのは夜の部。
更年期障害?でしばらくお休みだった勘三郎も出演。期待に胸ふくらむ。

演目は
1.猿若江戸の初櫓
2.伊賀越道中双六 沼津
3.弁天娘女男白浪 浜松屋~勢揃い

1は七之助と勘太郎の踊りをたっぷり。
2が今回のメイン演目。勘三郎はこの演目だけに出演。そして相手は何度見ても美しい仁左衛門。
旅の途中でたまたま知り合った勘三郎と仁左衛門。実は二才の時に養子に出した息子と親だった!その上、紆余曲折を経て現在は敵同士の間柄!ああ、どうなる!?....という、もしや韓流ドラマではないか?というテイストの運命に翻弄される人々....。べてぃは特に韓流ドラマファンではないです。でも話題になってるものは一応何作か見て、それら見る限り「いくらなんでもそれはないのでは?」と一言言いたくなるような、激しく運命に翻弄される主人公が出てくるのが特色だと見ました。でも今回、もしかすると韓流ドラマのストーリーの原点って歌舞伎にある??とちょっと思った。ま、中村座には関係ないんですけどね。

勘三郎は舞台に登場した時点で顔にかなりの汗。確かに蒸し暑かったから他の役者さんも演じてる間に大汗かいてたけど、最初からというのは、やはり勘三郎はまだ体調完璧ではないのでしょうか?演目も勘三郎は登場時間は長くセリフも多いものの、体はほとんど動かさなくて良いもの。そういうのを選んだのかな。
ま、あの感情振り絞る長台詞を言うだけでもかなりの体力消耗のはず。
復帰直後だからちょこっと出るだけか?と思ったけど、とんでもない。大熱演でした。

そしてやはり仁左衛門は美しい。
美しいだけじゃなくて、コミカル&シリアス入り混じる役柄を品よく演じ切って、勘三郎の熱演をサポート。
ステキ、仁左衛門さま~!と、心で拍手送りつつ、べてぃは双眼鏡でじっくり鑑賞。

そして実は今回べてぃが一番感動したのは3番目の演目でした。
弁天小僧の七之助があまりに美しい。そして勘太郎がぐぐっと貫禄増して、演技に迫力が出たのにびっくり。

べてぃが二人の演技を初めて舞台で見たのはお正月の浅草歌舞伎の舞台でです。
もう何年前になるんだろう....7,8年前?いや。もっと前かな。

その頃の二人はまだまだ見た目も少年。特に七之助はあまりにやせっぽちで、美形のお小姓という役柄だったのだけど、ガリガリの棒みたいな体にカツラがのるとまるでマッチ棒みたいなのが目立ち、大丈夫か?と思った記憶が鮮明です。
芝居もどっかの学校の学芸会みたいだったし。ま、新春歌舞伎はセットや衣装は歌舞伎座と同じものを使うけど、演じるのが若手だということで料金が格安。なので見る側もそのつもりで見てるし、未来のスターの若い頃を見るという楽しみなので、問題はないわけですが。

以来、かなりの回数七之助、勘太郎のお芝居は観てきて、段々上手になってるなぁと思ってはいたのだけど、今回はなんだか飛躍的に上手になったような....テクニックじゃなくて気迫が違うというか。気のせいかもわからないけど、これまでは偉大な父に守られた息子としての芸だったのが、いきなり一皮むけて大人として登場したような、そんな感じでした。
勘三郎の病気もあったし、勘太郎は勘九郎を襲名することになり、父にもなったし。
人生の大きな節目が塊になってやってきて、それを越えた迫力とでも言うのか。
素晴らしかったです。
中村座入り口
切符切ってもらう入り口。劇場自体は隅田公園に建てた仮設の建築物。どうやってあの二階席もある巨大な空間を壁面以外に支柱のない構造で支えているのか?折からの強雨強風の音でセリフが聞こえづらかったのはこの小屋の弱点だけど風で揺れたりは勿論なかったです。靴は脱いであがるので、今から行かれる方はそのおつもりで。席も狭いし硬いです。ま、それは仕方ない。


前にも書いたような気がしますが、歌舞伎を見る楽しみはその回その回の演技を楽しむのも勿論だけど、代々血筋を受け継ぐ者が芸を受け継いでいくシステムを楽しむというのも醍醐味。べてぃは歌舞伎通のお友達に誘っていただけるからそのお相伴をさせてもらっているだけのライトな歌舞伎ファンなのですが、最近、後者の楽しみ方ににちょっと目覚めつつあります。

まだ先代の当たり役を息子がやるのを見て比較して楽しむなんてところまでのキャリアはないわけですが。
でも勘三郎と息子たちは何かの拍子に声が全く同じに聞こえて驚いたり。先日亡くなった中村 芝翫(しかん)を中心に、中村家三代が勢揃いした舞台では、色んなバリエーションで血が受け継がれているのをなるほど~と思ったり。
(あ、今回の発見。勘太郎の口元はおじいちゃん芝翫が入ってますね。)
そして最初は大丈夫か?と思うような下手な演技、踊りだったのが精進の結果、驚きの成長を見せたりするのは決して遺伝的な才能の問題だけじゃなくて、その家に生まれた者としての覚悟とか努力の賜物。歌舞伎の制度自体が生み出すもののはず。それはすごいことです。
そんな、舞台の裏にある色々なことを考えながら、長く見続ける醍醐味。そんなものを感じられるようになると、歌舞伎はますます楽しいものになりそうです。
2011/11/20(Sun) | 歌舞伎、映画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
海老蔵復帰舞台、行ってきました
歌舞伎
7月大歌舞伎、見て来ました。
お昼の部。演目は「義経千本桜 鳥居前」「勧進帳」「楊貴妃」。
海老蔵の復帰舞台ということでチケットゲットは激戦だったはずだけど、何と今回は一階11列の花道近くというベストシートで見せていただきました。チケット手配していただいたお友達に感謝です。

感想は...海老蔵、やせたのかな。顔つきがスリムになって白塗りフェイスが余りに美しい。
「楊貴妃」の高力士役では新之助の時代に見た「天主物語」の図書の助(ずしょのすけ)の頃に戻ったような美しさ。歌舞伎においては白塗り=美男という設定らしいけど、どんなに白く縫っても え、これって美男??ふひゃひゃ...って感じの役者さんもいる中、海老蔵の美男役はホンマに美男です。と言いつつも海老蔵も年々顔も体もごつくなって来たので美男は美男でも昔の美少年的な美男ぶりは失われてきていたのが、ちょっと時間が戻ったような繊細な美しさでした。
今回は勧進帳で弁慶役のパパ団十郎と共演なので、じっくり顔を比較することができたわけですが、団十郎は鼻も顔も丸い。お母さんはマスコミに登場しないのでお顔拝見したことないけど、海老蔵のあの鼻から口へかけての美しいラインはきっとお母さんの遺伝子のはず。役者の家に生まれて美しい顔に生まれてきた幸運。観客の側からも見事な配分で生まれてきてくれてありがとう!な存在です。

でも気になったのはマバタキが異様に多いこと。血管切れて真っ赤な目での会見は記憶に鮮明なので、目の機能は大丈夫か?とじっと観察すると、にらみもきいてるし表情に不自然な部分はないんだけど、とにかくぱちぱちマバタキの連続。勧進帳で今回演じた富樫は弁慶のセリフを黙って聞いている時間が長い役。観察してると黙ってる間はものすご勢いでぱちぱちぱちぱち。見てるこっちもつられてぱちぱちしちゃう勢い。前はこんなことなかったのに...。でも自分が中心のシーンは普通になるから、機能の問題じゃなくて、もしかすると久しぶりの舞台で緊張してるとか。あの海老蔵にそんなことがあるのか...?
ま、流石に反省したよね。あの事件。復帰後初めての舞台だからね。流石に。
演技も昔は自信満々の強いオーラが感じられたのが、何だかちょっと硬くて迫力が足りない感じなのも、緊張してたのでしょうか。ま、べてぃがそう感じただけで、他の人は強いオーラを感じていらしたのかもわかりません。

もう一つ気になったのは団十郎の様子。舞台の上で何度も水飲んだり汗を拭いてもらったりしていて、体調大丈夫なんでしょうか。勧進帳の弁慶は体力使う役なので体調悪いと辛いはず。息子の復帰を成功させようという気迫が伝わってくる演技。でも弁慶のセリフ、べてぃは一言も聞き取れず思わず睡魔が...ちょこっとでもかじったことのある外国語は長々聞いてると流石に一言もキャッチできないということはないのに、なんで日本語が一言もキャッチできないのか...。団十郎、滑舌悪いかも。

海老蔵の復帰を心待ちにしていた人が集まった会場は、いつになく掛け声が多かったように思います。成田屋!!って。
通路隔ててお隣に座っていらした年配のご婦人は大声で掛け声かけたりはしないものの、小さく声かけたりとっても楽しそうで、海老蔵復帰を本当に喜んでおられるのが伝わってきました。
こういう人が沢山いることを心に刻んで、心を入れ替えて芸の道に精進してね、海老蔵さん。
2011/07/17(Sun) | 歌舞伎、映画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
コクーン歌舞伎行って来ました
歌舞伎
今年の演目はこれ。
去年の「佐倉義民伝」はひたすら暗いお話で、終わった後も気持ちどんより。おしゃべりべてぃも思わず無口になる...そんな感じでした。ラップを組み込んだりしてコクーン歌舞伎らしい新しい挑戦ではあったけど、舞台終わって出て行く時の気持ちがどんよりしてるのはちょっと...。
古典歌舞伎に新しい要素を組み込んで新しい歌舞伎の姿を模索するというのがコクーン歌舞伎の意義なんだと思います。お芝居に詳しいわけじゃないべてぃ程度の観客にとっては、新しい要素があまりに奇抜だと一つの舞台として融合するところまで行けてなくてただの寄せ集めみたいになってるような印象を受けちゃうんですよね。
今年はこのチラシが届いた時に「ありゃぁ~、もしかすると去年と同じ感じ?」と心配しました。
ところがどっこい。今年のコクーン歌舞伎は素晴らしかったです。

今年の舞台でべてぃが素晴らしいと感じたのは光と影の美です。
古典歌舞伎にはない大胆な影による演出。光と影を組み込むのだから奇抜感はなくて演目にしっくり馴染みなおかつ大きく引き立てる。それも古くから生活の中にある日本独特の生活道具の「障子の桟」とか「和紙貼りの番傘の竹の骨組み」などのおなじみの小道具の構造美をライティングの技でクローズアップして、それがお芝居に多大な演出効果を与えていました。
雨に濡れて歩く浪人姿の橋之助がさす傘にあたるライトで和紙が透けてくっきり和傘の骨の構造が浮かび上がると、あ、番傘の骨組みってこんなに美しいんだ...と感動しました。
緞帳もこの舞台のための特注品のはず。御簾および夏の着もの素材の絽、紗につながる日本の美。緞帳を下げたまま舞台を見せる手法の活用によって、すけて見えるんだけどライティングによってはくっきり見えたり見えづらかったり。演出の道具として大きな力を発揮していました。
日本文化の伝統的な要素を新しい見せ方で歌舞伎に融合させたステキな舞台でした。

舞台なのに本物の水を使うのもコクーン歌舞伎の特徴。前の席の観客は「自分で自分を守るように」とビニール風呂敷配られます。今年の水は天井から舞台に降ってくる大雨。これがホンマの雨なら大雨警報出るよってぐらいの勢いのある雨をかなりの時間降らせてました。この演出も素晴らしかった。でもあの水はどこに行ったんだろう...。

メインの役者は勘太郎と菊之助という若手と橋之助。
菊之助はホンマ美しい。ちょっと前に出てたカレーのCMで「え、太った?」と思ったけど、その太り具合が大変よろしい。ふくよかな首から顔の輪郭が太市喜和子を思い出させる色っぽさ。でも自分がメインの演じ手じゃないシーンではちょっと気を抜いちゃうのか、肩が男にもどってるのが惜しい。数回しか見たことないけど、玉三郎にはそれがない...ま、そこら辺が芸歴の違いでしょうかね。男性が女性を演じるのってものすごい筋力使って女になってるわけで、最初玉三郎を見た時は「すみません。べてぃは女ですけど、全く努力が足りましぇん...」と反省しました。ははは。

勘太郎は上手になったよね~。顔も良くなったし。声が勘三郎そっくりになって来て、遺伝子のなせる技を感じる。

そして橋之助はこういう役をさせると立ち姿が本当に美しい。それに浪人のカツラをつけた顔はちょっとワシ鼻の写楽の役者絵とそっくりだし。ご先祖様なのかなぁ...。遺伝子遺伝子。
歌舞伎を見に行くと必ず遺伝子について考えてしまうべてぃがかなり気になってるのはきっと彼の後を継ぐのであろう長男の国男くん。今回も端役で出てたけど、顔も体も100%ママの三田寛子遺伝子なんだなぁ...。

いやいや、今回も良い舞台見せていただきました。毎回チケットをとってくださるお友達に大感謝です。
ありがとう。

渋谷饅頭
これは渋谷限定のお菓子とか。べてぃの歌舞伎鑑賞はいつも同じ三人で。その一人にいただいたものです。へぇ~こんなのあるんだ。ハチ公がちょっとくまみたいで可愛い。中身は柔らかいお饅頭でした。観劇の合間のおやつでいただきました。ありがとう。
2011/06/21(Tue) | 歌舞伎、映画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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